第14回 2009年04月
世界的不況は、中国も例外ではなく、現在各社は大変なご苦労をなさっています。
このため、各社とも大リストラ中です。また、労働契約法施行1年を過ぎて、様々な課題が浮き上がってきています。
しかし、本来のリストラというのは人員整理だけではありません。
現況において企業が取るべき対処の中で、今回は社員教育を学びます。
- 社内諸規則の見直しと整備
- 厳しい社員教育
- 5S運動の強化・・・連帯感と、厳しい躾、不良資産処分のチャンス
- 工会または社員代表者組織の設立と健全な労使関係の構築
- 派遣会社との契約を早期見直し
厳しい社員教育
日系企業でも、「中国人はどうせ直ぐ辞めるから」」厳しい社員教育をしたら辞められる」という理由で社員教育をおざなりにしている企業を見受けます。それでいながら、永年勤続者が少ないとこぼします。これは矛盾ですね。
問題は、前項で書いたように、「優秀な者が永く勤めてくれない」ということから来ているのでしょうが、優秀な者が、会社の将来に希望を持って永年勤続するには社員教育が欠かせません。また若者の会社選択理由のトップ5には、必ず「社員教育制度の充実」が入っています。
1) 幹部研修・・・理念・方針の共有と厳しい指導のチャンス
伸び悩む会社を観察すると、次の問題があります。
- 経営者と幹部との間に壁がある
- 幹部どうしの間に壁がある
- 幹部と社員との間に壁がある
- 部門間に壁がある
これによる弊害は申し上げる必要はありませんね。
何故そうなるのか?
コミュニケーションの問題があるのは当然ですが、もっと根本的な問題として「会社の理念・方針が共有化されていない」ということと「幹部意識の欠如」「連帯意識が薄い」があります。
権利意識の高い、中国人を幹部にした場合の弊害のように聞こえますが、その様にした経営者の問題と認識しなければなりません。幹部と一緒になって企業の成長発展を目指し、共に努力しようという気持ちが経営者にあるならば、それを幹部にぶつけ真剣に彼らの目線で議論し課題・目標を共有化しなければなりません。
それに付いてこられず、脱落する者が少々いても構いません。共に努力し成長しようという者あるいはその可能性がある者を中心として幹部を再編成すべきです。
それには、会議だけでは難しく、研修会の場で行った方が有効です。
現状は、少々厳しい研修をしても大部分が付いてきますよ。
2) 研修のためには企業理念・方針の確立が先決課題
幹部研修では、企業理念・方針の理解と共有化から入ります。
「いやー、我社には未だそれができていないのだよ」という会社はどうするか?しかたありません。
いっそのこと、研修会にて幹部の皆さんと大議論をしてそれを作り上げてください。本当は、大議論をする前に経営者は「こういう理念・方針でしたい」というものを持っており、そこに議論を誘導すべきです。どちらにしても、幹部諸君が参画して作った理念・方針であり、守らせることは容易です。また、これによる連帯感の構築も容易です。
その上で、幹部の役割認識を学べば、変な言訳はしなくなります。