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知ってトクする広告情報上海ビジネスフォーラム活動報告
開催概要
日時 | 8月4日(土)15:30~17:30 |
---|---|
テーマ | 知ってトクする広告情報 |
講師 | 広告代理店勤務 内海 揚さん |
場所 | 理光(中国)投資有限公司 展示場 |
出席 | 41名 |
概要
1.広告代理店に関する偏見と見解
先ずは広告マンのイメージと現実を比較し、広告代理店のお仕事を理解するという内容から。スクリーンには一般的な広告マンのイメージとしてキム●クの写真が!(しかもヒョウ柄のシャツにベスト!)。
その隣には現実の広告マン代表として内海さん自身の写真(受験用証明写真か!?)
さすが内海さん!プレゼンの基本「つかみ」をしっかり押さえられています。(会場爆笑)
キム●クと内海さんの写真を並べるのはある意味反則(?)ですが、異性にモテる、あやしい、仕事がラクいうのはあくまでも「イメージ」で、現実には地道な作業が多く、労働時間の長い大変なお仕事ということがよく理解できました。
さて、広告代理店が広告を作っているというのは知っていましたが、実際にはどのような業務をされているのでしょう。
広告代理店の主な業務にはコンサルティング、バイイング、クリエイティブの3つがあるそうです。バイイングとはTV、新聞、雑誌、看板、WEB等の広告媒体を購買することで、メディアの仲介業という役割も果たしているそうです。
因みに、良い広告代理店は顧客ニーズを理解し、最適な広告を提案するためのコミュニケーション能力と、それを実行する能力や資源があるとのことでした。
2.中国広告概況
どの業界でもそうですが、中国の広告概況を考えるうえで、先ずは中国の基本データを押さえる必要があるとのことでした。
面積、人口、GDPに始まり、主要都市の人口や非農業人口比率、平均賃金、富裕者層の人口などのデータを分析すると、中国が世界で最も複雑な広告市場であることがあらためて理解できました。
データによると、1995年から2005年の11年間で広告費は約5倍増、2005年の広告費用は14,163百万元で同年の日本の総広告費5兆9,625億円と比較し約30%の規模に成長しているそうです。広告支出の内訳を見ると、やはり北京、上海、広州をはじめとする沿岸地域が全体の約66%を占めていますが、参加者からは意外にも新疆の広告支出が多いことが指摘されました。綿花や葡萄、ホップの大産地である新疆は収入が多く、消費力の高い地域のようです。
また、広告ターゲットとしての消費者を世代、消費能力、地域、収入等を分析したデータでは、中国には様々なタイプの消費者が存在していることが再認識できました。
中国のように様々なタイプの消費者が存在している広告市場では、「誰に」、「何を」、「どうやって」伝えるかが最も重要であるとのことでした。
また、中国では広告媒体であるメディアの大部分を国が管理していることが大きな特徴になっているそうです。
3.広告法について
中国ではあらゆる商品の広告に関して、原則的に各メディアによるセンサーチェックが必要であり、特に、薬品や医療機器、農薬などについては厳しくみられるようです。
しかも、関連機関によるセンサーチェックを通過していても、実際に広告に触れた消費者からのクレームにより打ち切りを余儀なくされた広告も存在するそうです。
このような市場環境においては、法律的に絶対に安全が保証できる広告はなく、広告主は正しい広告知識と法律知識を身に付けることが重要になってくるのではないかとのことでした。
広告法3原則
何かと不明瞭な点が多い広告法について、その基本原則をお話ししていただきました。
- 真実:
ウソはダメ。不明確な表現、第三者による証明の無い広告はダメ。
例)特に「最上級表現」(「最高」、「世界一」、「当然」等)は要注意。 - 合法:
本当でも違法はダメ。食品、薬品、化粧品、嗜好品はそれぞれ定められた安全基準を満たしていることが証明でき、商品に不適切な広告表現をしてはダメ。
例)お酒と自動車の組み合わせ→飲酒運転を助長する恐れがある。 - 社会主義精神文明建設の要求に合致:
誰にでも理解できること(中国語)、自国と他国等の中傷侮辱はダメ。
例)英単語には中国語訳を明記。
また、広告に関するトラブルが発生した場合の対処法についても、ご紹介頂きました。先ずは、相手の意見を良く聞き、問題を解決すべく冷静且つ友好的に交渉することが大切なのだそうです。
まとめ
内海さんの巧みな話術に引き込まれ、爆笑の渦の中、あっという間に過ぎた勉強会でした。中国広告業界の裏話や現実の広告事例など、ここには記載できないお話もありますが、消費者対策やコンプライアンスなど、中国における日系企業の広告リスク管理についても理解を深めることができました。
食事会
会場付近の中国料理「上海印象」にて。
今回は参加者が多く、いつもより多くの種類の料理を楽しむことができました。日本に帰任した会員も上海出張で合流し、久しぶりに旧交を温めることができました。微妙な冷やし加減のビールも美味しく感じられ、蒸し暑い上海の夜を楽しく過ごすことができました。