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市場転換する中国国内IT企業と再進出する日本企業上海ビジネスフォーラム活動報告
開催概要
テーマ | 市場転換する中国国内IT企業と再進出する日本企業 |
---|---|
日時 | 11月20日(土) 15:00~18:00 |
講師 | 上海坦思計算機系統有限公司 副総経理 東 誠さん |
出席 | 21名 |
はじめに
いゃ~、1年が過ぎるのって本当に早くてコワいです~!
2010年の月例勉強会も、もう11月なんですねぇ~。今回は予定幹事の内海さんの急用により、ピンチヒッターとして実行委員の東さんの登場です!
今回のお話の内容は今年7月に上海で開催されたSEAソフトウェア技術者協会上海分科会で東さんが専門家たちを前に講演された内容がベースになっているそうです、ほほ~。結構というか、かなり専門的な内容ですよ~。ハイ!
会社説明
先ずは、今回のテーマを理解しやすいように、東さんが勤務されている上海坦思計算機系統有限公司について説明していただきました。ハイ!
上海坦思計算機系統有限公司は1992年に設立された日中合弁企業で、華東師範大学科学技術パークの中核企業だそうです、ふむふむ。経営トップは華東師範大学元教授や中国科学院の院士の先生方だそうです!(なんか、凄そ。。。っていうか、きっと凄い方々だと思います。)流通、製造、ネットメディア、システムのマイグレーション、多国語化などを得意とされていて、顧客にはたくさんの日系企業があるそうです。ハイ!
2009年から2010年初頭に見られた現象
東さんは2008年7月の勉強会でも講師を務めていただいていますっ!
前回のテーマは「中国ソフトウェア業界の対日オフショア開発の現状」でした。
今回のお話を、2008年7月の続編として聞くと、ヒジョ~に興味深いんです。ハイ!
「おいおい、たったの1年半でこんなに変わるのか?」みたいな。。。
そうです、思い出したくない「アノ時期」以降の現象なのです!
- 日本国内のデフレや正規雇用エンジニアの減少により日本国内製造単価が低下。
(雇用確保補助金による小規模IT企業のディスカウント) - 景気低迷による開発案件絶対量の減少。
- 政権交代による公共事業の予算凍結。
(事業仕分けに伴う予算執行待機→オフショア開発全体量の減少)
これらにより、オフショア開発会社は経営内容の変更を迫られましたが、あまりにも急速な市場の変化のため、事業形態を変更出来ない企業が続出し、撤退やコスト増からの事業規模縮小を招いたそうです。。。収支も悪化し、日本側本社が駐在経費を支えられなくなるなど、本当にサ・イ・ア・クの状態だったとのことです。。。
サブプライム・ショックや政権交代【事業仕分け】により、IT企業の方向性や位置付けは、次のように変化してきたそうです。
第一段階(初期)
日本国内のコストセンター、開発要員不足時の補完施設
第二段階(中期)
固定エンジニアの育成が困難な開発技術培養地(高素養上級エンジニアの養成施設)
第三段階(現在)
中国市場向け製品開発基地、中国市場開拓営業マーケティング拠点
求められる能力☞①効率化、②旧技術システムへの対応強化、③先鋭化技術の新規開発力
そして、将来像はというと、
- 技術内容の方向性は「生産製造技術」から「共同新規開発、共同発明」へ 。
- 中国の市場及びコアユーザー層の要求に合致したシステムの開発へ 。
というのが、最新の考え方になっているそうです。ハイ!
なんかいい感じで、サ・イ・ア・クの状況から立ちあがってきている感じがしますね~。ルンルン!
2010年の現在像
このような急速な変化に対応しつつ現在に至っているわけですが、IT企業は着実に前へと前へと進んでいます。ハイ!
最も大きな変化は「中国国内市場」への移行だそうです。ソフトウェア製品(プロダクト)として日本製ソフトウェアの中国進出を加速させており、
M I J S (メイド イン ジャパン ソフトウェア コンソーシアム)
という、日本のソフトを世界に広めるため日本のソフト会社が連携し共同体で動く流れが発生しているそうです!!!(私には雲から差し漏れてきている光が見えました!)
単なるマイグレーション(=中国語環境化)ではない、市場にマッチした製品の共同開発により日本のソフトウェアを広めようという積極的な感じがとにかくグッドです!
このような変化をもたらした要因としては、
(日本) 事業仕分けによる公共事業投資の冷え込み
諸事件に纏わる日本人駐在員リスクの増加
(中国) 公的投資による内需拡大策・大卒雇用対策によるIT企業支援
開発対象の日中市場比の逆転・事業運営母体の現地化推進圧力
などがあり、ある意味では必然的な流れでもあるようです。ハイ!
2011年の将来像
ここまでの変化の流れから考えられる将来像についてのお話しです。ハイ!中国国内市場への未進出日本国内企業(従来のエンドユーザー企業)の進出によりサービスや製品(プロダクト)に直結する技術提携が更に増え、中国市場向け製品の共同開発基地を設置する企業が主流になってゆくようです。ふむふむ。
これにより、資本提携や子会社との経営統合(M&A)、日系企業が単独では参入できない公共事業への参入共同体制など、中国のソフトウェアベンダーとの新たな関係が生まれてくるんですねぇ~。
これらの新しい変化の要因となるのは、
(日本) 円高傾向の維持・公共事業投資の減少・民間設備投資の減少
(中国) 内需拡大による第三次産業拡大への構造変更
中国内ユーザー向け開発の拡大と更なる中国国内市場開拓の推進
などで、これもまた必然的な流れだと感じました。ハイ。
「日本の企業が中国で中国のリソースを活用して中国向けのソフトウェアを作る」という東さんの言い回しが印象的でした。ハイ!
質疑応答
参加された会員から「漫談だと思って聞いていた」というお褒めの言葉(?)が出るくらい面白い東さんのお話ですが、質疑応答は別の意味でも盛り上がりました!ハイ!どのくらい盛り上がったかというと、ここには書けないくらいの盛り上がりです。タイムリーな話題&固有名詞の連発&超辛口なお話ばかりでしたので、詳細レポートは自粛させていただきます。。。汗。でも、お話のなかで出てきた「単語」だけは紹介させていただけますので、皆さま、ご想像でお楽しみ下さい!
- スパコン、世界一、研究機関、日本、協力、蓄積、技術、成功。
- WEB、コンテンツ、ボーダレス化、留学生、何らかの方法、グレート、ファイヤーウォール、アニメ、放映、1時間後、アップ、著作、権利、罰則、未整備、侵害、訴訟、難。
- 日本、技術者、派遣、正社員、技術拡散、蓄積不能。
- 新幹線、5年、契約、車両、購入、技術、移転、共同開発、計画、反故、誤解。
- クローズドライセンス、リバースエンジニアリング、世界中、技術者、関与。
- Q、3、6、0、独禁法。
- コンピュータウィルス、大学生、夏休み、知的好奇心。
いかがでしょうか、お楽しみいただけましたでしょうか?
まとめ
「早口のため、第1部だけで用意していたPPTを全て使いきった!」と、お茶目っぷりを発揮された東さん!いえいえ、PPTを使いきった後も、東さんの博識ぶりと巧みな話術には、参加者の皆さんも大満足でした~!ハイ!内海さんのピンチヒッターとして、見事にホームランをかっ飛ばしてくれました!(旨いっ!)
個人的には「IT技術の進化は、技術者ではなく文系人間(?)の発想にヒントを得て、まだまだ発展してゆく可能性を秘めている。」というお話が印象的で、自分でも何か発想できないかな~と5秒ほど真剣に考えてしまいました。(はい、5秒だけです。)
それから、12月の年末会では、東さんが年度報告を担当されるそうです!(わ~い!)
東さんの楽しいお話が聞けるのが今から楽しみですぅ~!ハイ!
新規会員及びゲスト
宇都宮 夏美さん(上海交通大学)
西村 弘さん(上海企助商務諮詢有限公司)
食事会
会場付近、日本料理「伊藤屋」にて。参加者13名。食べ飲み放題。
よく食べ、よく飲み、よくしゃべりました!いつも通りですっ!ハイ!