「大気汚染について」PM2.5他中国の状況上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

日時 6月21日(土) 15:00~17:00
テーマ 「大気汚染について」 PM2.5他中国の状況
講師 中川 秀樹さん(创天昱科(深圳)有限公司)
幹事 内山 博文さん(上海比趣電子商務有限公司)
開催場所 上海巴士大廈10階 会議室
住所:建国路525号(×重慶南路)
出席 21名

全体概要

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幹事の「中川さん」が来ない!初の当日ピンチヒッターで実行かも?しかし、中川さんは体調不良ながら来ていただきお話しいただけました。
中国のびっくりするような大気汚染状況について、事例や対策などをお話していただき、健康管理などに役立つことと思います。またそれに適した空気清浄機も分り易くよく分りました。

紙芝居参観

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勉強会の前に上海女性ネットワーク(JWN)の須藤みかさんより2011年の東日本大震災を題材とした紙芝居「命の次に大切なもの」を15分ぐらい上演していただきました。

JWNは、3年前の東日本大震災をきっかけに誕生した上海の5つの女性団体を繋ぐネットワーク組織です。JWNは東日本大震災に限らず、中国各地で起きた大地震でも支援活動をしています。めくり手は、JWN仲間の竹内愛子さんでした。わざわざのご足労有難うございました。

福島県南相馬市で起きた実話を元に、作られた感動の紙芝居です。8月には日本に戻されて、日本各地を巡回する予定ですので最後のチャンスとして上演をお願いしました。災害が自分の周辺で発生した場合、如何に強い精神と「絆」が大切か痛感されました。

また、JWNの東日本大震災の復興支援活動の一環として、「起き上がりパンダ」その他の支援グッズを展示販売し多数の会員からのご協力をいただきました。ありがとうございます。
非常に参考になるJWNのブログがありますので、下記を是非ご覧ください。

 http://blog.canpan.info/jwn_shanghai/

中川さんの主な講演内容

1.PM2.5について

①PM2.5とはそもそも何なのでしょうか?

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大気中に浮かんでいる小さな粒子のことをエアロゾルと呼びます。そのうち、粒径2.5μm(マイクロメートル、ミクロンとも呼ぶ。2.5μmは2.5mmの1000分の1)以下の粒子をPM2.5(一般的にはPM2.5と書くことも多い)と呼び、その大きさから人間の肺の奥にまで到達しやすいとされています。

②PM2.5とはどんな物質ですか?

PM2.5は粒径2.5μm以下の微粒子と言うだけで、その中身は何も規定されていません。その中には硫酸塩や硝酸塩の様な塩類、ディーゼル排煙中のススのような黒色炭素、数千種類にも及ぶ有機化合物(その中にはたばこの煙の成分や、発ガン性を指摘されているベンゾ[α]ピレンのような多環芳香族化合物など多種多様な物質が含まれます)、金属成分など様々なものが含まれています。一般的にはPM2.5の主要な成分は硫酸塩や硝酸塩などの塩類と有機化合物です。

③日本の環境基準

2009年に環境省から告示されました。環境基準は1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ1日平均値が35μg/m3以下であること、となっています。なお大気環境基準とは、人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、大気をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものです。

④中国の基準

上海は2014年から日本並みの基準となったが、他の一級都市は2016年から実施のようです。二級以下の都市は見込みがたっておらず、心配です。

⑤大陸で発生したPM2.5はどのように日本に運ばれてくるのでしょうか?

冬には西高東低の気圧配置となって北西の季節風が吹くことから、大陸からいろいろなものが風に乗って運ばれてくるだろうとは誰しも考えることです。確かに冬の季節風により定常的に大気汚染物質が運ばれてくるので、日本海側の雪や樹氷が酸性になったり、スス粒子を含んでいたりと言うことは理解できます。しかし、大陸の大気汚染物質が大規模に日本にやってくるのはむしろ移動性の高気圧や低気圧・前線などが日本の南岸を通過するときで、そのようなときに汚染物質が大規模に押し出され、または引っ張り出されてきます。

⑥北京の大気汚染が深刻化 測定不能(2014.2.26)

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深刻な大気汚染が続いている北京市では微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が一時、1立方メートル当たり572マイクログラムを記録、大気汚染指数(AQI)も500を超え、計測不可能レベルとなりました。21日には4段階で2番目に深刻なオレンジ警報に引き上げられ、25日には状況がさらに悪化。26日にかけて、市中心部でも1キロ先が見えない状況に陥りました。
オレンジ警報は100時間以上継続。同市内の学校では屋外での運動が中止されたほか、工場147社が操業停止や減産の措置を取りました。北京国際空港発着の一部の便にも遅延などの影響が出ています。高級マスクや健康食品、室内用運動器具の購入者が増え、家計への圧迫も懸念されています。

⑦PM2.5を吸入することによりどのような病気になるおそれがあるのですか?

PM2.5に対する短期的な高濃度暴露によって循環器系の疾患(不整脈など)とは因果関係があり、呼吸器系の疾患(ぜんそくなど)とも因果関係がある可能性が高いとされています。長期間の暴露によってはさらに小児や胎児の成長に影響を与える可能性があり、発ガン性、変異原性などを示す可能性もあります。

⑧健康への影響

慢性気管支炎や肺気腫を含めた慢性閉塞性肺疾患、喘息やアレルギー性鼻炎、不整脈 、肺高血圧、虚血性心疾患、心疾患・肺疾患・肺癌に影響します。

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⑨大気汚染で死者700万人 WHO各国に対策促す(2014.3.25)

世界保健機関(WHO)は25日、2012年に大気汚染に関連した死因による死者が世界で推定約700万人に上ったとの報告書を発表しました。全死者の8分の1に当たります。
WHOは、「大気汚染を改善することで、(年間)数百万人の命を救える」として、各国政府に対策を急ぐよう促しました。地域別では、中国など西太平洋地域(282万人)や東南アジア地域(228万人)、アフリカ(68万人)などの低中所得国で汚染による人体への影響が最も強く見られました。

⑩北京オリンピック対策

周辺地区から北京への越境汚染は北京の汚染全体の25%を占めます。そこで、オリンピック中は工場を河北省などへ移したがオリンピックが終わると工場も戻り、越境汚染も戻りました。

2.空気清浄機について

(株)エクレアのカドー(CADO)の紹介がありました。
世界No.1の美しい空気を実現したカドー空気清浄機は、「 より多くの空気をハイスピードでフィルターに通過させ、汚れたフィルターを自己洗浄する 」 それが、カドー空気清浄機の考え方で、すでに多くの病院で採用されているそうです。
業務用タイプでは、様々な医療機関及び介護施設で使用されているそうです。
すごい機械ですね。実物も展示運転していただき、密閉度の悪い巴士大厦の会議室にも関わらず空気清浄機はドコドコ空気を入れ替え、講演後半には体感できるほど空気がきれいになっていました。

初参加者紹介

  • 佐藤 寿恵さん:サイノユナイテッドヘルス
  • 須藤 みかさん:上海女性ネットワーク(JWN)
  • 竹内 愛子さん:同上
  • 河崎 有希子さん:上海外国語大学

実行委員からの報告・・・叶 家胤さん

  • 7月例会:東誠さん(上海坦思計算機系統有限公司) 俳優活動について
  • 8月例会:葉先生(春澤中医) 漢方による医食同源について
  • 9月例会:普陀山旅行
  • 10.11月例会:幹事を募集中
  • 12月年末会:佐藤忠幸氏の講演

食事会

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時間:18時~21時00分
出席:12名
会費:250元/人
会場:「がってん寿司」地下鉄9号線打浦橋駅の日月光広場4階

追加申込の方が2名おられたため、用意した部屋では狭過ぎましたが、美味しいので我慢できました。会費250元は高いように思われますが、コースの内容から考えると「安い!」です。久しぶりの本格日本料理で、つい話もお酒もすすみます。

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