中日を繋ぐ仏教聖地を歩く(一泊親睦旅行)上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

日時 09月13日(土)・14日(日)
テーマ 中日を繋ぐ仏教聖地を歩く(一泊親睦旅行)
幹事 実行委員が下記を分担
企画と広報:佐藤忠幸さん
撮影と会計:内山博文さん
招集と連絡:秋山賀世子さん(上海八克利起商務咨詢有限公司)
バス交渉応援:張 霖さん(佐藤中国経営研究所)
費用
(徴収額)
ツインルームを1人宿泊者3名:2,400元(お酒および追加料金含む)
ツインルームを2人宿泊者13名:1,800元(お酒および追加料金含む)
キャンセル者1名:700元
出席 16名(内、女性7名)

概要

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今年は、中国における仏教四大聖地の一つである普陀山へ行きました。
普陀山は山という字がつきますが実際は島です。「海天佛国」とも呼ばれ島全体が観音菩薩の霊場としてにぎわっています。
信仰心からのみの目的ではなく、島内に点在する寺院、奇岩、風光明媚の自然景観などが観光地としても注目を集めており、中国のみならず、諸外国からの訪問者も年々増えています。
普陀山が仏教の聖地となった故事には、日本からの留学僧に絡んだお話が残るなど、日本の仏教を語る上でも欠かせない聖地です。
日本人は、是非この機会を活かして、限りある滞在期間を有効にお過ごしくださり、中国人は、三回参りといって3年連続行かなければとの云われもあるようですが、とりあえずはそれに拘らず観光のつもりでお気軽にご参加いただこうと企画しました。

概略旅程

9月13日(土)

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7:30 花園ホテルへ集合・出発
【杭州湾大桥】、【舟山跨海大桥】を経由して、朱家尖に到着
(約4時間)・・・実際は5時間半かかった
11:30 昼食
13:00 船に乗って普陀山へ
【西天景区】を観光:心字石、梅福庵、磐陀石、二龟听法石等
(延着のため上記は省略し、普济寺のみを見学)
15:00 普陀山第一大寺-【普济寺】を観光
18:30 ホテルイン

9月14日(日)

07:30 朝食
08:00 【紫竹林景区】を観光:不肯去观音院、潮音洞等あり
09:30 【南海观音大仏】を観光
10:30 第二大寺-【法雨寺】を観光
12:00 船に乗って朱家尖に帰る
13:00 昼食
14:00 バスで上海へ向かう
18:00 上海に帰着予定  (結果は21時着)

内容

杭州湾大橋

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この大橋を渡るのは、2回目です。
1回目は2008年9月のSBF旅行。その時のサブテーマが「今年の5月に完成したばかりの世界最長の海上大橋を渡って、寧波(ニンポウ)に行こう」でした。
総延長36Kmもの大橋。東京湾アクアラインの半分はトンネルだが、ここは全てが橋。前回に続いて、この日は悪天候で景観は楽しめず、ほとんど寝ていました。
東京湾との違いは、水の色が汚く、そして水深が浅く大型船が通れるところは少ないようです。

舟山跨海大橋

寧波は上海の対岸、すでに浙江省です。そこから少し陸路を南下し、舟山跨海大橋で舟山へ渡りました。
ここらへ来ると、多島海とも言われる瀬戸内海を思い出します。多くの島と島を橋でつながりその景色がなんともいえないよい雰囲気です。
ここの小さな食堂街で、昼食です。
同じような店が数十軒並んでおりどこに入るか、予約していないと迷うでしょう。
エビ、カニ、小魚、大魚、貝その他、腹いっぱい食べました。美味かった!
食後フェリーで普陀山へ。

普陀山の歴史と見どころ

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普陀山は、舟山群島中の信仰の中心地です。だから、他の島と橋でつなげさせないのでしょうか。ここは別格だということを誇示しているようにも思えます。
しかし、信仰心からのみの目的ではなく、島内に点在する寺院、奇岩、風光明媚の自然などで観光地としても注目を集めており、中国のみならず、諸外国からの訪問者も年々増えているそうです。
中国四大仏教聖地(名山)は、山西省の五台山、浙江省の普陀山、四川省の峨眉山と安徽省の九華山です。それぞれ、文殊、観音、普賢、地蔵菩薩の霊場として広く知られ、歴史的、宗教的観光名所となっています。
四大名山が聖地とされた起源は、漢代以前に遡ります。仏教の伝来に伴い、各山では大量の寺や廟が造られ、 建立は清朝末期まで続いたが、文化大革命でほとんどが破壊されつくされました。中国成立後、これらの建物は文化財として保護、復元・修繕され、現在は観光客や市民を迎える顔となっています。

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普陀山が仏教の聖地となった故事には、日本からの留学僧に絡んだお話が残るなど、日本の仏教を語る上でも欠かせない聖地です。
日本の僧 慧鍔(えがく)は、916年に中国五台山で観音像を入手し、船で帰国の途中、普陀山にさしかかると海面に鉄の蓮が何百と湧き出し、船が通れなくなってしまいました。
「観音像が海を東向する機縁はまだ熟していないということでしたら、どうぞこの山にお留まり下さい」と祈ると、船はすぐに動けるようになりました。そこで、慧鍔は普陀山に観音像を祀り、以来普陀山は観音道場となったというわけです。

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したがって、観音像が主だったものだけでも33体もあるそうです。
こうして、普陀山は、観音菩薩の浄土である補陀落に擬せられ人々の信仰を集め、「海天佛国」とも呼ばれ島全体が中国有数の観音菩薩の霊場としてにぎわっています。
清朝末までに、全山は3つの大寺、88の禅院、128の堂宇と僧侶数千人という規模がつくられました。
その観音様の最も大きいのが南海大観音
普陀南海大観音は、1995年着工し、1997年秋建立されました。高さ33m、重さ70t、総工費3500万元(約6億円)、世界各国の観音信者の寄進により建てられました。中国で一番有名な御利益のある観音菩薩像となり、毎年300万人以上の参拝者で賑わっているとか、とにかく金ピカのどデカイ観音様です。

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ところで、ここの弥勒様のほとんどが、でっぷりとした太鼓腹です。「この姿は実は布袋様のお姿」だそうです。
何で弥勒菩薩と布袋様が結びつくのだろうか?
日本では、布袋様は七福神の一人として認識されているが、中国では、布袋和尚という実在した僧侶として、伝えられています。
この布袋和尚、浙江省の出身で、死ぬ時の偈文「弥勒真弥勒、世人は皆な識らず」から、布袋和尚が実は弥勒菩薩の化身だったと、考えられるようになったそうです。
日本の弥勒菩薩像は、美しく端正なお姿の仏像で有名であり、「あなたは弥勒様のようだ」と言われれば嬉しいが、ここでは?帰りのバスで冗談に「布袋さん」と呼ばれて恥ずかしがっていた人がいました。

その他のお寺もそれぞれ由緒があり歴史も古いものを持っています。
しかし、木肌や青銅の地肌が出た仏像などは一つもなく、全て金ピカです。
お寺のお堂などの建造物も全てカラフル、文化大革命で全てが破壊されたからだそうです。
唯一、石造りの七重の塔の一部部材だけが300年以上前のものだとガイドが嘆いていました。この他、遣隋使や遣唐使の帰り便のいくつかはここから出ており、かの鑑真和上もここから出たことがあったそうです。

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とにかく、海や島とのバランスの良い景色は素晴らしいところです。
日本の高僧慧鍔の伝説がなくても、ここは霊地となったでしょう。

2日目の観光も終わり、フェリーで船山に戻り、昼食です。
前夜の夕食は期待外れでしたので、昼食は豪華にしようという声で蟹を追加して豪華な昼食となりました。
お酒もすすみ、帰りのバスはゆっくりと寝ようと言う方も多かったようです。初日に出来なかった実行委員からの報告その他案内が多数ありましたが、皆さん聞いてくれたかな?

バスの走行時間設定間違い

最初普陀山観光の1泊2日のモデルコースを要求したら2泊3日しかないとのこと、では他に聞くからよいというと「有ります」と言って持ってきたのが前記の概略旅程です。しかし、この時間設定に無理があったようです。
上海から舟山までバスで4時間では行けませんでした。
初日は雨だったが、バスの運転手は少しでも予定時間に近づけようと懸命な運転ぶりでした。「時間よりも安全が大事だ」という我々のクレームでやっと普通の運転となりましたが全てが大幅に遅れ普陀山観光が始まったのが15時と2時間も遅れました。
帰りも観光の遅れもあって現地出発が1時間ほど遅れたが、やはり4時間では上海に戻ることは不可能、上海の花園飯店に戻ったのは20時半過ぎでした。

どうやら、4時間という時間設定はスピード最大で、無事故、無渋滞、無休憩の場合の正味時間のようです。中国系建設会社のリスクゼロ工事日程と同じですね。
上海に戻った翌日、早速旅行会社に時間設定の問題と運転マナーについてクレームを付けたところ、お詫びと共に、旅行会社からバス会社に厳しく指導がなされたようです。

ホテル:普陀山祥生大酒店

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泊まったホテルは5つ星の豪華ホテル。
チェックインの時には、広いロビーの半分を使ってミニコンサート。美人が何かを歌って歓迎してくれました。ロビーの玄関の反対側には広いテラスがあり、そこからは杭州湾が広がっています。
景観と設備はさすが五つ星ホテルといえます。
ただし、普陀山という大観光地ということにあぐらをかいているためか、サービスの本質を全く知らないホテルでした。上海の20年前のサービスレベルでしょう。

まとめ

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普陀山は、やはり、3日間かけてゆったり回りたいところですね。そして、できれば宿坊に泊まり、歴史をじっくりと味わいたいものです。
しかし、上海からの添乗員さんの気遣いと優しさ、的確な案内や通訳もあって、団体旅行としては最高の楽しみを得られたと思います。
皆さんお疲れ様でした。

来年は何所へ行くのかな?

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