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2000年からの上海と私 ~14年間の小史を振り返って~
年度活動報告上海ビジネスフォーラム活動報告
開催概要
開催日時 | 12月6日(土)14:30(受付開始13:30)~17:50 |
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内容 | 1.勉強会 講 師:佐藤 忠幸(実行委員・佐藤中国経営研究所) テーマ:「2000年からの上海と私 ~14年間の小史を振り返って~」 2.年度活動報告 報告者:秋山 賀世子(実行委員・上海八克利起商務諮詢有限公司) |
幹事 お世話人 |
SBF実行委員および女性会員が下記を分担 広報・総合司会:叶 家胤(実行委員・上海誠鋭企業発展有限公司) 年度活動報告:秋山 賀世子(実行委員・上海八克利起商務諮詢有限公司) 講演・記録:佐藤 忠幸(実行委員・佐藤中国経営研究所) 写真撮影・会計:内山 博文(実行委員・上海比趣電子商務有限公司)、鈴木 智一(実行委員・WEB-One! Shanghai) 受付:吉永 愛音さん、五十嵐 唯さん、鈴木委員(忘年会受付も兼務) PC&プロジェクター操作:菊池 孝子さん、鈴木委員 |
開催場所 | 洋式日本料理「海鮮魚市」 住所:上海市延安中路1111号 延安飯店1F |
出席 | 51名 |
会費 | 50元 |
全体のまとめ
2013年に続いて、老舗ホテル内の高級レストランで開催しました。
「海鮮魚市」日本料理風の洋食海鮮レストランという珍しいところです。日本でもめったにお目にかかれない美味しくて新鮮なカニとエビを堪能でき、雰囲気も味も申し分ないとの評判の「海鮮魚市」を借り切って開催しました。
勉強会講師は、SBF実行委員であり佐藤中国経営研究所の佐藤忠幸さんにお願いしました。
佐藤委員は、2000年に中国へ赴任して以来、製造業数社の総経理を経てコンサルタント業を開業し、上海を基盤として、工場管理、人事管理および経営管理を探求してきました。後3ヶ月で中国滞在満15周年を迎えるため、過去を振り返っていただきました。
会場は、勉強会・総会・忘年会の全てを同じ部屋で模様替えをしながら行いました。期待どおり数々の創作海鮮料理を豊富に出していただき、さすが上海だ!を実感できました。
勉強会の概要
1)14年間は“あっ”という間(統計で見る14年)
お得意の統計で過去14年間の中国・上海の変化を見せていただきました。
2000年に比べて14年間の変化は想像以上に大きいことが分りました。その間の日本は失われた○○と停滞していたため、尚更変化量の大きさに驚きます。
下記はその例ですが、何%アップで表せるのは、人口と株価ぐらいなもので、他は何倍という表現になります。それを分り易くグラフで見せていただきました。
- 【人口】中国:8%増 上海:52%増(常住者)
- 【GDP】中国:6.2倍 上海:4.8倍、1人当りGDP 中国:5.7倍 上海:3.2倍
- 【賃金】中国平均:4.8倍 上海平均:4.4倍 上海平均手取り:4.2倍
- 【最低賃金】上海:4.1倍
- 【株価】上海:毎年の平均値比 18%増(08年にバブル崩壊)
- 【住宅価格】中国:7.5倍 上海:9.6倍
- 【乗車保有台数】中国:14.8倍
2)都市も人も節目で伸びる(14年間の小史を振り返って)
- 毎年の十大ニュース(資料出典:ニュースネットアジア)を中心にして、年ごとに、中国経済と日中関係を振返り、それと対比して佐藤委員の中国で感じたこと体験したことを見せていただきました。
- 佐藤委員が最初に上海へ来たのは1985年、成都へ出張時に飛行機乗換のため外灘で一泊しただけですが、初めての中国の印象は「暗い」の一言で、強烈だったそうです。
- 2000年に、上海へ初めて赴任し暮らし始めましたが‘85年時に比べて様変わり、その激変ぶりに驚いたものです。しかし、2000年からの14年間の変化も凄まじいことが分りました。
- 特に2001年の上海APECとWTO加盟、2008年の北京オリンピックそして2010年の上海万博を大きな節目として、中国も上海も大きく発展成長し、発展途上国から脱皮しようという動きがはっきりと見えました。街の風景だけでなく人心も大きく変わったのではないでしょうか。
- 一方で、地域格差、農村と都市との格差など大きな課題はこれからどうやって解決するのか現政権は大きな荷物を背負った状態です。その解決が無いと日中関係の真の融和は難しいのではとも感じられます。
- 日系企業の多くは、政治に揺り動かされた14年でしたが、民間どうしは「絆」で結ばれていることも実感された14年です。
3)“壁”に悩まされる日系企業の歴史
2000年台当初の在中国日系企業は、進出し作れば儲かったよき時代でした 。
・・・競争相手も少なかったと思います。
安くて、若い、豊富な労働者をめがけて沿岸部に大量進出しました。
・・・今は、そのメリットはもうありません。労働者も減って来ましたが、沿岸部へ出稼ぎに出ること自体が減ってきました。中国の所得倍増計画もあって賃金は高騰しています。
最大の問題は、経営は親会社にお任せしていたことです。
- 親会社が送ってくれる材料を使い、
- 親会社の指導通り作り、
- 親会社の指定した価格で
- 指定したお客様または親会社に送れば、よかった・・・・・・・利益は何所に?
・・・今では、移転価格税制で利益移転はできません 。
現在は、親会社から独立した(親離れ)経営を要求されています。
しかし、日系企業の多くは相変わらず各種の「壁」に悩まされています。
- 壁の大部分は人事制度と社員教育など総経理の力で壊せますが、 容易に壊せないのは親会社との壁です。
- もっと大きいのは親会社の小姑・・・社長以外の幹部からの勝手な介入・指導が多い・・・日本の会社と勘違いして「筋を通せ」と口出ししてきます。「筋」を通せば決定が長引き、 筋を通さなければ「○○は勝手な真似をしやがる」と言われます。
- 日系企業の総経理さんは本当に大変ですよ。
日系企業のこれから
- 中国でも、良い物を作れば売れるという時代は終わりました。 今は、ブランディングとマーケッティングが相まってやっと売れる時代です。
- 日本企業はそれに遅れていた、その代表が家電産業、流通チャネル戦略で成功した多くの企業のブランディング能力が弱く苦戦しています。
- 今では、日本や親会社に頼っていては生きられません。親会社にその知恵も体力もないからです。中国に限らず外国は、出張や旅行程度ではその本質は見えません。
- だから、現地法人は現地に任せてもらう必要があります。
- 任せてもらうには、総経理始め幹部諸君はその気概と責任を背負う学習と覚悟が必要 です。日本式サービスと経営に惚れ込んだ中国人を育て、幹部に抜擢するという「人材の現地化」は必須事項です。
- 反日の報道や教育の中でも、人民日報ネット版で「中国式道路横断方式」を日本に学んで直そうとキャンペーンを張っています。中国では、評価されるべきものはきちんと評価してくれます。 評価を裏切らない、高品質の製品とサービスを中国の隅々までお届けしよう。
- 総経理あるいは駐在員として避けられない“壁”があることは意識し、諦めずに壁を乗り越えましょう。
- しかし、佐藤委員のご意見は、相変わらずというかますます辛口ですね。
まとめ
内容的には、過去の集大成であり新味はないはずですが、改めてデータで振り返ってみると「そうだったのかー」、「そうだったよねー」とうなずくことばかりでした。
佐藤委員、14年間本当にご苦労様でした。
Sそして太っ腹なことに、ご希望された場合はその講演資料をくださるそうです。(本来はあり得ないことですね)ご希望の方は、佐藤委員へ(下記のメールアドレス)「12/6講演資料送付希望」と書いてメールしてください。
年末総会の概要
SBF活動状況
秋山委員が、軽妙な口調で、2013年の年末会から2014年11月例会までを紹介しました。今年は休会もなく予定通り11回の例会を開催できました。本当にご苦労様です。例会ごとに、例会内容と各幹事・講師の紹介があり、一部幹事のご挨拶と補足説明や裏話までご紹介いただきました。
内山委員と鈴木委員の撮影した写真も多数ご披露いただき参加者および幹事さんの普段見られない一面を見せていただきました。
蘇州SBF活動状況
蘇州SBF実行委員の福岡 晃さん(紀伊化粧品蘇州有限公司総経理)です。
奇数月の土曜日に開催される例会では幅広い学習会と5月の野外活動というパターンも定着し、毎回30名前後の参加者を集め、活発に活動されている内容をご紹介いただきました。SBFと同じく、学習と交流が目的の異業種交流会ですので必ず土曜日に開催しています。
運営上の課題も掲げてくださり、毎年工夫をしている姿勢が印象的でした。
東京SBF活動状況
例年通り東京SBF実行委員の中山 勝巳さん(株式会社アネクシーズ社長)で、我々のホームページを作成してくださっている方です。
東京も、蘇州同様7年目の活動です。
遠距離通勤という東京の事情のため、平日に勉強会と食事会をしていますが講師の選定にご苦労をしており、SBFの豊富な講師陣の応援が必要です。さらに、経済環境その他の事情で中国への関心が薄まるような状態も見られ運営方法やテーマ選択に再考を要しそうです。
第二部 忘年会
【時間】開会18時30分~中締め20時30分
【出席】60名
【会費】400元
【会場】第一部と同じ部屋を模様替え(模様替え時間の設定ミスがあり、開会が遅れた)
「海鮮魚市」は、日本料理風の洋食海鮮レストランという珍しいところです。日本でもめったにお目にかかれない美味しくて新鮮な北海道のエビ2種類と、各種お刺身を堪能している間に、タラバガニが配られました。日本では当然、東京や各地の温泉で食べられますが、一般的なそれとは全く異なるもので、塩気が少ないボリューム満点のものでした。もう一つの看板メニューであるフォアグラと牛肉のステーキなどに舌包みを打っていたらもうお腹が一杯になりました。その他追加メニュー(料金に込み)も寿司その他多数あり「到底食べ切れないよ」と言いながらも他のテーブルに配られる温かく美味しいそうな目新しいものを見つけるとつい追加オーダーしてしまうのが人間らしいところです。
今年は例年と違って、自由席ではありますが全員がテーブルに着席しての開会です。4~6人のグループを急遽作りワイワイと始まりました。途中からはボトル・グラスを持参して各テーブルを回っての交流が目いっぱい続きました。
お店のスタッフは、60人の大宴会でもきちんと対応してくれ、食べ物や飲み物を欠かさないように注意しながら補充をしてくれました。
当初は400元という会費は過去最高であり、大丈夫かとの意見もありましたが始まったら「これなら安いぐらいだ!」との高評価を得られ、満足されたのではないでしょうか。
叶委員の司会と開会挨拶、そして講師を勤めた佐藤委員の乾杯の音頭で始まった忘年会は、例年のごとく、老若男女ならびに日中の活発なる交流が続きました。今回は、蘇州SBFから5人、東京SBFから3人の参加を得て幅広い交流ができました。
あっという間に2時間が過ぎ、2015年が善い年であるようにとの願いをこめて、東京SBFの中山さんの手締めで中締めとなりました。しかし、やはり忘年会!名残惜しむ交流が続き10数人は21時半まで盛り上がっていたとか。海鮮市場さん有難うございます。
最後の最後に、今回も受付を担当して下さった女性陣、そして各委員さん、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
2015年もよろしくお願いします。