2007.5.26|中国における顧客との関係構築を考える

2007.5.26|中国における顧客との関係構築を考える

開催概要

日時5月26日(土曜日) 15:30~17:30
テーマ中国における顧客との関係構築を考える
講師菊池 孝子さん (協力:長澤 享部長・小玉 加奈子さん)
場所益峰客戸関係管理(上海)有限公司 VCS(Value Communication Services Inc)
出席29名

概要

テレマーケティング(電話による市場調査や営業促進その他)の実態を(今回はSBF特別で)現場を見せていただきなら学ぶ。

  1. 一般的なCRM(顧客との関係作り)の考えかた
  2. 中国で有効なダイレクトマーケティングとは
  3. コンタクトセンターの見学
  4. 会社紹介

内容

1.一般的なCRM(顧客との関係作り)の考えかた

「見込み客の顕在化→興味喚起→利用促進・解約抑止→解約阻止→休眠活性」の流れを、システム化し電話・WEB・モバイルなどを使って個人や企業に働きかけることです。

問題は、データです。中国でも個人や顧客のデータは入手困難であり、入手したデータの信頼度も低いそうで、蓄積されたデータのクリーニング、統合などによる有機的な活用が重要だそうです。また日系と欧米系では活用方法が異なるそうです。

2.中国で有効なダイレクトマーケティングとは

最もポピュラーで有効なものが、電話により直接顧客の声を聞きながらの双方向でのコミュニケーション。顧客を知り、行動を分析し、戦略をたて、戦術と計画をつくり、製造・販売する。このお手伝いを、というよりも積極的にお客に紹介しがんばっておられる様子がよくわかりました。

電話サービスでいうと、受け電話とかけ電話に分けられます。

受け電話は、受発注・DMの資料請求受付、キャンペーンの事務局などの代行業務です。

かけ電話は、電話販売、市場調査、広告効果測定、集客、DM/カタログフォロー、営業訪問のアポ取り、さらにはアポイントを取るべき相手は誰なのかまで調査することも代行し、容易ではなさそう。

3.コンタクトセンターの見学

建物・設備的には、大きくは次の4つの特徴があります

【オペレーションルーム】
当社はコンタクトセンターと呼んでおり第一第二合わせて600のブースがあり、若い男女が真剣にモニターに向って話していました。休日のため少ない人員しか見えませんでしたが、平日であればさぞやという雰囲気。
一人ひとりには、コンピューターとモニター、キーボード、マイク付ヘッドホーンは当然として、特殊なネットワーク用の専用設備が備えられています。
コンピューターの特徴としては、CD、FDおよびUSBなど外部記憶装置が全て外されており、コンピューター本体も固定されており、データが外部に持ち出されないような、細心の注意をはらっていることです。
電話機がないので、伺ったところ、キーボード操作のみでコンピューターで自動的にセレクトされた相手につながるそうです。当然かもね。

【管理ブース】
一部(たぶん、人事・財務など)を除いて、管理ブースはガラス張りとなっています。作業状態を常に見えるようにということですが、逆に管理者が居眠りしないように全員に看視されているような気分でもあります。(そんな不真面目な管理者はいそうも無いようですが)

【設備ブース】
Voice Network、Data Network、Safety Device、UPS、ハロゲン消火設備など、集中して管理しています。オペレーター用機器に加えて、投資が大変だなという印象。

【福利厚生ブース】
特徴としては、まず立派な研修室。毎日のように新人が入ることもあり、しかも、顧客の代行業務ですから社員教育は厳しく行なっている様子。
食堂兼休憩室は中国らしからぬ(?)小奇麗なセンスにあふれた内装。トイレや喫煙室も同様。さらに、ロッカー室があり、個人の荷物は全てそこに入れてから入室することとなっています。

見学した感想としては次の4点が注目されました。

【個人のパフォーマンス管理】
メイン通路には、毎月の表彰者の写真が掲げられ、さらに、オペレーションルームには個人個人の毎日のパフォーマンスが掲示されしかも、ベスト10、ワースト10まで明示されていたのには驚きました。通話時間を極力少なくするためには要領よく聞きだすテクニックが必要ですし、仕事に切れ目があってもだめですし、一生懸命やっても効果がなければ意味がありません。それらを独特のSOP(基準手順書)に基づき、業務目標達成を目的としたKPI(定量的管理指標)を組織全体および個々のスタッフごとに設定し、それと実際とのギャップで個人評価もするし、改善もするという管理システムで運用されています。

【教育システム】
上記の、目標を高く掲げ、高い達成率を得るためには教育が重要であり、厳しいシステムで運用されています。入社すると3日間の初期研修、次には数週間の業務研修がなされた後に配置され、監督者のOJTが始まります。通話中の中味は監督者からも聞こえ、不適な会話をしたときにはその都度指導がなされます。故に監督者は座っていません。前項のワーストリストに入った者は再教育コースに入るそうです。

【給与インセンティブ】
販売促進などは業務の性格上、個人の能力やがんばりにより、パフォーマンスに大きく差が出ます。給与にもそれが明確に反映され、同時入社でも、数ヶ月で大差がつくとのこと。それでいて、定着率が高いのですから社員も納得しているのでしょう。評価システムに自信がなければこうはできませんね。
社員の目標設定とパフォーマンス管理と同様の契約を顧客とも合意しているとのことです。もちろん、初めての商品や顧客との初期設定は暫定ですが、リピートオーダーからの契約もパフォーマンスに入れるそうです。単純に一日何枚配れという街のチラシ配りとはえらい違いです。

【顧客情報セキュリティ】
様々な業務を代行するわけですから「顧客データ」も預かります。また、調査など受発信で得られたデータの管理には相当神経を使っているなと感じました。設備面でしかそれが見えませんが、センターでの入室管理やロッカーの整備、社員との守秘義務契約など様々な工夫をしていました。

4.会社紹介

VCSは、進研ゼミでおなじみの、ベネッセグループの中核会社である㈱テレマーケティングジャパンの100%出資会社だそうです。
設立後5年目を迎え、今では日系独資ではNO1をほこり、質・量ともにますます充実している様子。

詳しくは、ホームページを見ていただくとして、中国語(普通語、上海語、広東語)、日本語、英語などで対応できるので一度お訪ねしたらいかがですか?

食事会

勉強会会場は科学技術開発地区にあるため適当な店が無いということで、タクシーで移動し中華レストラン「上海人家徐フイ店」にて食事会をしました。本来は高い店ですが、菊池さんの交渉で美味しく盛りだくさんの食事とお酒で大いに盛り上がりました。

協力していただいたVCSの小玉さんにも参加いただき、新たな交流がなされました。

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