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2007.10.27|湖南省日本人会活動を通じて

2007.10.27|湖南省日本人会活動を通じて

開催概要

日時10月27日(土曜日) 15:00~17:00
テーマ湖南省日本人会活動を通じて
講師長沙真珠照明有限公司総経理 松永 純さん
場所上海市対外服務有限公司 国際人材培訓中心
出席26名

内容

1.自己紹介

松永さんは大阪府門真市のご出身です。
湖南省長沙市の麓谷開発区で主に自動車向け照明を製造販売する企業の総経理で、湖南省日本人会の事務局長としても活躍されています。
自己紹介では、中国進出の経緯から、会社設立、立ち上げ、今日の発展に至るまでの苦労話や思い出をお話し頂きました。
思い立ってから2ヶ月間で会社を設立したことや、中国の「生」の姿を理解するために現地スタッフと同じ寮で生活したことなど、エピソードだけでもかなりハードで楽しい内容でした。

2.湖南省の紹介

スクリーンには松永さんが準備された中国と湖南省の地図が映し出されました。
上海の地図に慣れている参加者もこんなにじっくりと湖南省の地図を見たのは初めてでしょう。湖南省は人口約6600万人、面積は約21万平方km(日本の約半分)、緯度は奄美大島とほぼ同じだそうです。湖南省「韶山」が毛沢東の出身地であることは有名ですが、そのほかにも花火生産世界一を誇る「瀏陽」や壮大な景色の広がる景勝地「張家界」が知られています。近年では張家界の韓国人観光客が激増し、長沙と韓国・仁川に週5日毎日2便の直行便が飛んでいるそうです。皆さん、ご存知でした?

3.湖南省日本人会の紹介

湖南省日本人会は、日本人及び長期日本在住者の相互扶助、緊急時連絡体制による確保、そして中日友好へ貢献することを目的とした団体です。
松永さんは2003年より事務局長を務められています。2007年9月現在の会員数は約140名で、約6割が企業関係者、約4割が学校関係者で構成されているそうです。

松永さんは、この「6:4」のバランスが日本人会の活動にとってベストだと感じているそうです。企業関係者ばかりだと活動内容(ゴルフ&飲み会)が偏りがちですが、留学生や日本語教師などの学校関係者がいることで活動範囲が大きく広がるとのことでした。日本人留学生の「純粋さ」や日本語教師を通じて広がる「中国の学生との交流」は日本人会の活動に大変プラスになっているのだそうです。

4.日系企業訪問会

日系企業訪問会は日本人会が現地の日系企業と協力して実施している活動です。これまでに3回実施されており、毎回、日本語を専攻する中国の大学生約100名を参加対象にしているそうです。学生たちに日系企業を理解してもらう機会であると同時に、日系企業にとってはCSR活動の一環にもなっています。企業訪問後はカレー屋さんで懇親会を開き、学生たちとの意見交換を行っているそうです。

松永さん曰く「日本製品は好きだが、日本人はキライということを無くしてゆきたい。実際に日系企業を訪問した学生たちが日本製品だけでなく、日本人も大好きと言ってくれるのが一番嬉しい。」

―このような意識を持つ日本人が増えたら両国の関係は更に深まるのではないか。そんなことを考えさせられました。尚、この日系企業訪問会に参加した学生が湖南大学日本語学科のブログに感想文を投稿されています。非常に上手な日本語で純粋な気持ちが伝わってくる文章です。

5.日本語スピーチコンテスト支援

日本語スピーチコンテストは湖南省日本語教育専業会が主催しており、日本語学科のある10校以上の大学が参加し、各大学が毎年持ち回りで実施しているそうです。日本人会としてはこれまでに4回参加し、支援金や審査員の面で協力しているそうです。支援金は日系企業1社あたり1000元で、コンテストの運営や商品、パーティーの経費として使用されるそうです。松永さんも審査員として毎回参加し「日本人事務局賞」としてポケットマネーから日本製のデジカメなどを提供しています。松永さん曰く「コンテスト終了後のパーティーで酒を酌み交わすと友好関係が一気に深まる」のだそうです。また、友好とお金の使い方について考えさせられる内容でした。

6.ミニミニウルルン滞在記

日本の某TV局の「ウ○ルン滞在記」という番組は皆さんもご覧になったことがあると思います。芸能人が海外の家庭にホームステイしながら日本では得られない経験をし、ホームステイ先の家族との交流を深め、お互いに打ち解けたと思った時にはもうお別れ、お別れでは涙がウルルンしてしまうというあの番組です。

ミニミニウルルン滞在記は日本人会が募集した隊員が、農村出身の日本語学科の学生の家に1泊2日でホームステイし、お互いの友好を深めるという活動で、これまでに2回実施されています。TV番組と違うのは、ホームステイ前に事前に日本語学科の学生との「お見合い」があることです。(お見合いと言っても、お互いの相性や語学レベルのチェックが目的です。)日本人が中国の普通の農家に1泊2日でホームステイするのですから、それだけ事前準備が重要だということです。私たちが中国の友人の家に遊びに行くのとは全然違います。隊員が実際に農作業をしている写真や滞在レポートも併せて紹介され、少しだけですがミニミニウルルン滞在記を疑似体験できました。(私も体験したいなと思った参加者もいたのではないでしょうか。)勿論、松永さんも通訳なしでこのミニミニウルルン滞在記に参加し、毎回「ウルルン」して帰ってくるとのことでした。

因みに、今年は17名の隊員が参加したそうですが、この17名の日本人がホームステイ先で平均20名の中国人と友好を深めると、今回のミニミニウルルン滞在記では一気に340名の中国人との友好が深まったことになるのだそうです。このような「友好」の算出方法もとても新鮮に感じられました。

7.中日友好交流座談会

中日友好交流座談会は湖南大学との共催で、今年で5回目を数える活動だそうです。毎回、「中国人の考え方・日本人の考え方」をテーマにしています。

松永さんは「両国の間にわだかまりがあるとするならば、それは文化や歴史を背景とする価値観が原因であり、しかも日本人は往々にして自分の価値観がグローバルスタンダードだと思い込んでいる。日本人が中国を含む世界で通用するためには、相手の価値観も理解し受け入れるべき」と考えられています。

座談会はお互いの考え方を理解し、友好を深めることを目的に、ひとつのテーマに対する両国の考え方の違いをデータ化し、比較分析しながら進めています。例えば「ごみのポイ捨ては見てどう思うか」、「友人と仕事のどちらを優先すべきか」といった質問に対する両国の回答を比較すると、数字の上からでは両国の考え方に大きな差が無いことが見えてきます。但し、中国側の参加者が大学教授や大学生などのエリート層であることも考慮する必要があるそうです。松永さんのお話と資料から、実際の座談会の現場は相当面白そうだなと感じました。

8.シンポジウム「地球市民を目指して!!」

シンポジウムは中日友好交流座談会の発展型として、松永さんが1年以上の構想を経て、今年5月に実現した活動で、350名以上の方が参加されました。日本からも在北京日本大使館井出敬二公使、新日中友好21世紀委員会作家石川好氏、滋賀県国際協会会長、前滋賀県知事国松善次氏が出席し、その内容は2007日中文化・スポーツ交流年認定事業として在中国日本国大使館ホームページや日本語雑誌「スーパー・シティ」にも特集記事として紹介されました。

ITの急速な進歩と普及により、今や両国間の人、モノ、情報においては既に国境を越える勢いとなっており、国境を越えた動きは当にグローバリゼーションそのものと言えます。

また、これまでは全世界で10億人に満たない人々だけが豊かさを享受してきましたが、中国をはじめとする多くの人口を有する国々が豊かさを求めて走り出しており、これは既に国家間ではなく地球規模の動きになっています。シンポジウムでは、自分たちが日本人として、中国人として、「地球人」として何をしなければならないのかという問いに対し、「thinking global act local」的な発想で考え、行動しようと開催され、次の内容を「地球市民宣言」として採択しました。

「地球市民宣言」
シンポジウム「地球市民を目指して!」参加した私たちは

  1. 地球市民として、限りある資源やエネルギーの節約に努めます。
  2. 地球市民として、世界中に多くの友人をつくり、相互理解に務めます。
  3. 地球市民として、あらゆる�����の苦しみや環境破壊に思いを馳せ自然と人間の共生を目指します。

9.中国ビジネス要点

中国で仕事をするビジネスマンとして、先ずは私たち一人一人が日本人としての自覚を持つところからスタートしたいのですが、往々にして日本人は自分たちの尺度で常識、非常識を判断してしまう傾向にあります。前出の中日友好交流座談会のテーマのひとつでもありますが、中国と日本は「違う」という認識を持つことが前提になるそうです。その上で、経験談を交えながら、次のポイントをお話し頂きました。

【中国投資について】
①目的の明確化
②目的に合わせた形態
③初期投資はできるだけ小さく、状況に応じて拡大してゆく。

【人間関係】
①現地の言葉で現地に溶け込む(努力をする)
②企業トップが直接顧客を訪問する(老板社会)
③部下でも人前で叱らない(面子)
④中国の実利主義を理解し企業経営に活かす(ルールの教育と職種に応じた対応)
⑤経営スピード(トップの即断即決)

10.私の思う「企業の社会貢献」

顧客を満足させ、従業員を満足させ、地域社会を満足させることが中国における日系企業の基本指向であるべきという前提ですが、先ず自分が満足していなければ顧客を満足させようとは考えないのが現実です。松永さんからは、マズローの欲求説や近江商人の「三方好し」、TQM理論、儒教復活を引用しながら、先ずは従業員に喜びを与えることが企業の社会貢献の第一歩になり、地域社会にも喜びを与えられることに繋がるとお話し頂きました。

また、中国の目指している「和諧社会」とは、まさに「個人の利益を考えるのであれば、全体の利益を考える」ということを言っていると感じられているそうです。

感想

「友好」をテーマにした勉強会はSBF史上でも初めてでした。また、講師をお呼びしたのも初めてでした。勉強会の内容がとても新鮮に感じたことは勿論、私たちが中国で何ができるかということを深く考えさせられた勉強会でした。

松永さんのお話のなかには幾度となく「友好」という言葉が出てきましたが、中国人に対してだけでなく、日本人に対しても、つまり、誰に対しても個人対個人ベースで友好を深めたいという松永さんのお人柄が表れていました。

松永さん、お忙しい中、貴重なお話しをして頂き、本当にありがとうございました。(SBF一同)

食事会

会場付近の日本レストラン「上海神戸館」にて。

今回は勉強会参加者全員が食事会に参加しました!新規の女性参加者も多く、いつもより華やかな食事会になり、ほぼ貸切状態の店内で今回も大いに盛り上がりました!

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