各SBF活動は、新型コロナウイルスの状況を鑑みつつ、次回開催の日程を決定させていただきます。

2007.11.17|中国の労働契約法について

2007.11.17|中国の労働契約法について

開催概要

日時11月17日(土曜日) 15:00~17:00
テーマ中国の労働契約法について
講師上海市光明律士事務所 程 甦 弁護士
場所理光(中国)投資有限公司 展示場
出席23名

概要

「2008年1月1日施行の、新しい法律「労働契約法」について最新情報に基づいて学び、実務上の対応策を検討する。」というものでした。

この法律は、本年6月に制定されたもので、運用上不明確なものが多々あります。元々の情報では、10月下旬から11月上旬にかけて運用細則が発表されるとのことでした。
6月末に発表以来様々なところで、これに関するセミナーが開催されていましたので、法律そのものに関する勉強はそれらにお任せして、運用細則が固まってからの対応方法をと考へ11月の勉強会テーマと設定したわけです。

ところが、運用細則が未だ出ないという異常事態で興味も薄れたのか出席者も少なくなってしまい、程先生にはご迷惑をおかけしました。
しかし、逆に勉強済みの会員も多く、この法律への企業としてのあるべき対処姿勢や、就業規則の改定にからんで社内規則のあるべき姿まで議論がおよび、有意義な勉強会となりました。

内容

1.労働契約法の主な特徴

1)固定期限のない労働契約
① 長期雇用を目指したものであり、労働法の定めに加えて、労働契約を2回更新した者には、期限の定めのない契約を締結する権利を与えたというもの。使用者には拒否する権利がない。
② 違反した場合の処罰も明確化された画期的なもの。

2) 試用期間中の定め
① 今まで曖昧であり、地方自治体により異なっていたものが、各項目について明確化され、全国統一で確立された。
② 既定された項目  設置条件、期間、回数、給与、解雇条件
③ もっとも注目すべきは、解雇条件である。曖昧な採用は不可となった。

3) 労働契約の解除
① 使用者からの解除については、厳しい制約を設けた。
② 人員整理にかかわる保護すべき対象者を明確化した。
③ 人員整理に関する手続きを明確化した。
④ その他、安易な解雇を防止すべく整備され、先進国に近づいた。

4) 経済補償金について
① 会社都合による解雇以外にも、契約終了も含めて経済補償金(退職金)が発生した。これにより企業としては、退職金引当金相当の準備をしなければならず、新たな労務費の発生となった。
② 固定期限のない労働契約とあいまって、人事施策の重要性が増した。
③ ただし、曖昧な表現ながら、次の条件であれば契約終了となっても、経済補償金が発生せず、抜け道となりそう。「会社側が過去の労働条件の維持または向上した条件を提示して契約更新をしたいと申し出たのにもかかわらず労働者が拒否した場合は不要。」

2.実務上の対応策

1)労働契約について注意すべき点は、社員募集要項を明確化しなければならないこと。試用期間中であっても本採用しない旨を証拠だって説明義務が生じたためである。

2)就業規則について就業規則制定の注意点としては次の3点。
(1) 民主的な手続きを経ていること。(工会との協議など)
(2) 法律・法規に違反していないこと。
(3) 公示して、社員が周知していること。

3.質疑応答

就業規則、工会(労働組合)、残業制約、パートタイム労働者、派遣労働者など広範囲にわたり活発な質疑応答がなされ、程先生が立ち往生する場面も度々。

まとめ

冒頭に掲げたとおり、既に制定から4ヶ月が経ち各所でセミナーがなされたテーマだけに皆さんはある程度理解していました。しかし、曖昧な表現や見落としやすい内容について、活発な質疑がなされ、かなり疑問が解消されたと思われます。

興味深い議論としては、法律に書かれていない事項や曖昧な表現に対して、如何に対処するのかという根本的な内容。「いけないと書かれていない事項はやってよい」という中国的な解釈と、「立法の精神を踏まえて対処すべき」という日本的な解釈が一時対立しましたが、企業運営は日本的な解釈で行い、いざ対立(当局や労働者と)の場面となれば、中国的な解釈で毅然とした態度に出るべきだという雰囲気でした。

もう一つの話題は、就業規則の中味をどの程度詳しく書くのか、ということです。
量的には、少なければ少ないほどよいという議論に注目されました。
法律・法規の定めに従う事項については、「関連法律・法規にしたがう」の様な表現をして、具体的に書かなければ、法律・法規の改定ごとに就業規則の変更は不要であり、かつ、企業の特色(思想)を盛り込むことができるからです。会員どうしの議論も活発になされ、まさにフォーラムとなり、あっという間に過ぎた2時間半でした。

食事会

今回も、近くの中国料理「印象」にて開催、新人2名の参加もあり、勉強会の延長議論もあり、賑やかな異業種交流会でした。料理セレクトもよく、安くて美味しく、楽しいひと時でした。

上海(SBF)カテゴリの最新記事