各SBF活動は、新型コロナウイルスの状況を鑑みつつ、次回開催の日程を決定させていただきます。

2009.10.24|消防と防災

2009.10.24|消防と防災

開催概要

日時 10月24日(土) 15時00分~17時30分
テーマ 消防と防災
幹事 藤井 祥司さん(初田上海国際貿易有限公司)
場所 上海芝遠商務諮詢有限公司 会議室
出席 21名(プラス応援3名)

まとめ

SBF10月会は初田上海国際貿易有限公司 藤井 祥司さんの発表です。

地震大国日本を離れ、上海に暮らしていると、ついつい日常災害への警戒を怠りがちですが、四川大地震もあったばかりの中国。災害、特に火災への備えは常に心がけたいものです。

本日は防災設備に関するデモんストレーションとして、消火器の噴射実験も御見せいただきました。
藤井さんの非常に興味深いお話に、秋の陽はあっという間に落ち、消火器の実演の時は、既に薄闇になっていました。

第一部:消防について

1.火災原理について

燃焼の要素は、次の3要素が必要です。

  • 第1要素として可燃性物質・可燃性固体(木・紙等)・可燃性液体(ガソリン・アルコ-ル等)・可燃性気体(プロパンガス等)
  • 第2要素として酸素供給源・酸素(空気中の約21%)・酸化剤
  • 第3要素として点火エネルギー・炎・電気火花・摩擦熱等、燃焼開始に必要なエネルギー

次に火災種類は・A火災(木材)、B火災(油)、C火災(電気)、D火災(金属)、E火災(帯電)、F火災(厨房)に分類されます。

2.消火原理について

燃焼の3要素のうち1つ以上を取り除けば燃焼を止める事が出来ます。
冷却効果・窒息効果(酸素の遮断)・除去効果(5Sが効果的です)抑制効果により連鎖反応の中断により消火します。

3、設備について

消防設備の種類は・消火器(手提式、移動式;ホースだけが移動できるもの、車載式;車輪がついているもの)・消火栓(屋外、屋内;ppt写真の扉内の消防栓設置)

スプリンクラー(建物内;火災によって熱膨張してガラスが割れて水が出るのですが、部品は中国はガラス栓、日本は地震が多く金属製だそうです。スプリンクラー4つで初期消火できる計算の水槽&ポンプが設置され、それでも消火できない大きな火災は消防隊の活動によって消火されます)・泡消火設備(危険物設備、駐車場)・ガス系消火設備(データ保管庫などに設置されます。CO2,不活性ガス窒素、アルゴン、ハロン、などを使い、再利用する立体駐車場などに用います;つまり、消火すると危険なので管理者以外の入らない場所 。しかしハロンはオゾン破壊係数が高いそうです。)粉末消火設備(油火災 危険物貯蔵所など。窒素ガス+ABC粉末(燐安)で構成され、粉末はリサイクルされています。;以前は廃棄していたそうです。凍結する場所など水を使えない場合にも用います。ビンもリサイクルされていますが、中に圧がかかっているので、リサイクル限界は使用年限約8年です。)・自動火災報知設備(赤いLEDは通電をしているか確認している)・誘導灯&避難器具といったものがあります。

他にもガス警報設備 消防署への通知設備があります。

4.消火器の作動方式について

消火器の役目:あくまでも初期消火

初期消火の範囲

消火器の作動方式:
加圧式は、無圧から加圧して放射
蓄圧式は、あらかじめ圧力を掛けておき放射

  メリットデメリット
加圧式安く確実な作動腐食による破裂事故
蓄圧式腐食による事故が無い価格が高い 圧漏れで作動不能

中国は法律で蓄圧式です。

5.消火器の種類

粉末消火器ABCどの火災も有効(汎用性が高い)
泡消火器A火災 特にB火災に有効
強化液消火器A火災 特にてんぷら火災 油膜
CO2消火器対アルコール用

適応消火器表でご説明いただきました。

紙類は簡単だがダンボール、布団は深度火災(中でくすぶって再燃)
強可燃性 泡消火器が有効
鉱物油の油はどれも有効
電気火災は感電の恐れがあるので液体を霧状ならできるが普通に液体は危険

ここでDVDを使ったビデオ説明です。

  • 消火器の製造:12分
  • 消火器の使い方:2分
  • てんぷら油火災の対応:4分

VTR内容は次の通り

  • 赤だけでなく黄色の消火器が登場
  • 適応マークの説明
  • 生産工程の説明
    本体容器のプレス→トランスファープレスマシン→溶接工程→底部口金の自動溶接(自動で表裏を判別)→自動で口金セット→耐圧気密検査工程→ネジ検査器→塗装工程→塗装前下地処理→内面塗装機→ハンガー装着装置→本体塗装室→焼付け室→ハンガー自動着脱装置(自動回収)→外観検査工程CCDカメラ検査→自動ホーンキャップ取り付け装置→自動ラベル貼り装置→自動粉末充填機→充填重量チェッカー→組み立て工程→バブルケース組み立て工程→キャップの組み立て機→キャップ締め付け機→総重量チェッカー→最終検査(人手)→自動ホース装着機→自動ホース締め付け機→梱包工程→梱包装置 →最後に国家検定合格検査

ラインのほとんどが自社開発製造検査機器によるPC制御による自動生産で、製品設計もCADで設計が行われているそうです。

第二部:防災について

6.火災の原因(日中比較)16:05

火災原因 日中比較
日本 放火(疑い含む)22% 寝タバコ11% コンロ 焚き火 火遊び
ストーブ その他41%(21種類)
中国 放火5% 電気12% 操作ミス4% 火の不始末20% タバコ 7%
火遊び 6% 自然発火 2% その他 24% 建物火災 車両火災 林野火災
(消防年鑑の件数)
死者数は日中で変わらない
統計の取り方の違いがあります。
中国は埋設配線が多いので消火が大変(配線による火災?)

7.日常の点検及び管理

外観(錆 塗装剥離 凹み 傷が無いか?)
日本製でないのは何故?日本のメーカーは認可されていない
圧力がかかるか?
消火器は見やすく取りやすい場所に設置 裏にあってだれも取れない カバーを掛けない
燃えやすい物は置かない 置かせない(5S管理)
タバコの始末 溶接時の養生 原料を必要以上置かない 廃材管理 不用品の整理
管理が行き届く工場は火災の発生頻度が少ない(お得意さま?)
コンロの元栓を閉める習慣を
最終的には消防署が来て判断。消火後、安易に判断して再燃して全焼の例もあり
圧力があるか?(蓄圧式)消火器は見やすく、取りやすい位置に設置。ある工場では5分以内に何本集められるかという競争やっているそうです。
燃え易い物は置かない、置かせない!(5S管理)
タバコの始末、溶接時の養生、原料を必要以上おかない、廃材管理、不用品の整理

8.保険

保険の種類;第3者損害賠償、火災保険、工事請負責任保険、PL保険
保険を安くするには*相見積もりをとる。*法的義務設置以外の自主対策を説明する(リスク軽減);例)弊社消火設備、5S管理、ガス警報器、セコム等々

9.会社のご紹介

10.事業内容

半導体製造装置、液晶製造装置、工作機械に対するCABINEXの販売
IG55等の環境関連商品の販売、消火器の国内販売及び海外輸出、設計、施工、メンテナンス&アフターサービスの実施、中国製品の市場調査及び輸出業務、海外生産の支援業務、技術コンサルティング
火災報知器の実演もしていただきました。火災報知器のアラームは自動だが、人が見つけて教えるようにもなっていて、熱と煙の2種類があるそうです。
(IG55 窒素、アルゴンガス 炎センサー ガスセンサー 熱センサー)
誤検知しないように炎の種類を見ているそうです。
炭素を出す燃え方をするものを4.4マイクロを見ていて判断しているのですが、古い技術で知られているものだそうです。
価格はセンサー系は高いそうで、価格は10万円
設置は消防法だが、検知器は法律はある(建物に対してある)
工作機械ラインへの設置はアイシン精機の火事が設置のはじまり
台湾での半導体メーカーの火災が契機
消火も自動化されていて、センサーは110度両翼で感知 7~8m 建物用20m
半年に1回の検査 検査の価格に開きがある
技術コンサルティングは、検定 認定 評定 鑑定 など4種類
内容として
よい消火器と悪い消火器の見分け方(見た目がわるいと品質が悪い)
中国では値段が高いと淘汰されるで漏れるものもあり、メーカーは全国200社以上にある
*中国での内装を安くあげる方法
・消防設備をいじるとコストが上がる
・間仕切りを天井に上げない
・散水障害を設けない
*設置届け
・消防設備の監査義務はあり、消防検査の事前許可がおりないと使えない
・点検義務はある(使うとすぐに点検。ふつうは5年置きだが、使うと2年置き
に消防テストがある。)
・設置間隔は㎡おきに決まっている(散水面積が決まっている)
消防訓練
・義務付けは無いが各社の取り組みで
・煙探知機は初田さんでは扱っていない(設置環境の良し悪しがあるため)
誤作動がある場合
・センサー感度の問題
・メーカーに確認を
消防署の立ち入り検査は真面目にやっているか?はい。

11.模型を使った消火器の使い方実演

使用方法はラベルに使用方法が明記
安全栓を引き抜き
→はずしたホースを握って火元に向ける
→手前から掃くようにホースを動かす
→垂直に持つ(斜めでは効力が下がり、逆さまはNG)
火元に近づきすぎない(3mは離れる事!)
大事なのは「無理な消化活動をしない事!」
有毒ガスが発生することもあるので風下からの消火はNGです。

12.VTRの上映

TV番組「危機一髪」
てんぷらを揚げつつ長電話→油温が上がり油が気化、点火→マヨネーズでの消火は誤り
水を絞った大きなサイズのタオルで消火
調理中は離れる場合はガスの元栓を必ず締める

休憩

質疑

Q.ラインについては全部自動ですか?
A.部品組み立ては人では入っている部分もある

Q.全て赤なの?
A.特殊用途は25%が赤で塗られなくてはいけないが、ステンレス消火器はデザインで銀、金属火災用消火器は黄色、消火設備が効かないものは黄色、家庭用消火器は緑色、義務が無い部分は自由な色

Q.何故法律で赤なのか・・・定着しているから?
A.目につきやすいから

Q.加圧式も蓄圧式もリサイクルできる?
A.出来ます。社内リサイクルしていて、素材はメーカーにリサイクル。廃棄を少なくする為に、ボンベの中も塗るのは普通のペンキです。これは防錆塗装です。(規定で決まっている)この手間の為、日中で価格差が発生しているが、日本の消火器は中国で、中国の消火器は日本では使えません。(許認可されていません)

感想

PPTだけでなく、DVDで映像紹介を併せた、あっという間の講演でした。
特に、消火器の自動化された製造ラインの様子は、とても珍しく興味深いものでした。

食事会

出席:18名
会費:80元
開催:「嘉慶坊」
住所:西康路480号

講演後は、今回の会場をお貸しくださった上海芝遠商務諮詢有限公司さん( 延安路×江蘇路交差点近く)からタクシーに分譲して移動。

藤井 さんが食事会に選んだお店は、静安寺駅と南京西路駅の丁度真ん中辺りにある「嘉慶坊」でした。
非常に庶民的な街並みに在る如何にも上海人愛好の隠れた名店という風情のこのお店は当日も超満員。
一番奥まった広い個室に、当日も歓談の盛り上がりました。

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