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2009.11.21|今さら聞きにくい移転価格税制の基礎

2009.11.21|今さら聞きにくい移転価格税制の基礎

開催概要

日時 11月21日(土) 14時30分~18時00分
テーマ 今さら聞きにくい移転価格税制の基礎
幹事 叶 家胤さん(上海誠鋭実業有限公司)
場所 上海市建国東路525号巴士大厦1010室 会議室
出席 25名

まとめ

SBF11月会は上海誠鋭実業有限公司、叶家胤さんの移転価格税制に関する講座です。

昨今非常に厳しくなっている税金関連についてのお話をお聞きしました。

第一部:今さら聞きにくい移転価格税制の基礎

税金が怖い(実刑判決が出る)話
・価格過少申告で密輸に問われる
移転価格税制の関連法律・法規
企業所得税法の一部
その実施条例
順次PPTを交えてご説明を頂きました。
PPT①法律
「中華人民共和国企業所得税法」
「中華人民共和国企業所得税法実施条例」

第一章 総則
第二章 納税所得額
第三章 納税額
第四章 優遇税制
第五章 源泉所得税
第六章 特別納税調整
第七章 徴収管理
第八章 付則

企業所得税税率 25%(第4条)

非住民企業の源泉所得税税率 20%
 ☆損金控除なし

納税免除収入(第七条)
 ①財政支出による収入
 ②行政事業性収入、政府基金
 ③国務院が規定しているその他

免税収入(第二十六条)
 ①国債の利息
 ②住民企業間の配当
 ③中国国内に機構、場所を設立している批准民企業が住民企業からのもらう関係ある配当

収入の分類(第六条)
一.貨物販売収入
 ①商品
 ②製品
 ③原材料
 ④包装物
 ⑤低価格消耗品
 ⑥その他在庫品

「住民企業」と「非住民企業」(第二条)
 ☆企業の国籍とは別概念

①住民企業:中国で設立した企業・実管理機構が中国にある企業
②非住民企業:住民企業以外の企業・中国と何らかの関係がある
③中国と無関係の外国企業

説明① 構成について

一.総則、対象など
25%の企業所得は何か
課税所得とは、1年間の収入から納税免除収入を除き、免税部分を除き、各種控除(損金)を引き、以前年度の累損を引いたものが当年度の納税所得

二.収入の分類について
労務収入とは、
建築・設置、修理、物流、倉庫レンタル、金融保険、郵便・通信、コンサルティング、文化・スポーツ、科学研究、技術服務、教育・訓練、飲食・ホテル、仲介・代理、衛生・保険、地域服務、旅行、娯楽、加工、その他労務服務活動による収入を指す

収入の分類とは、
三.財産譲渡収入
 ①固定資産
 ②生物資産
 ③無形資産
 ④株
 ⑤債権
 ⑥その他財産

四.配当収入
 対外投資による収入
 ☆投資された側の利益配当決定日に収入計上

五.利息収入
 ①預金利息
 ②貸付ローンの利息
 ③債権利息
 ④貸付金の利息

六.レンタル収入
企業が提供した下記ものの使用権による収入
 ①固定資産
 ②包装物
 ③その他有形資産

七.特許権使用費による収入
企業が提供した下記ものの使用権による収入
 ①特許権
 ②非特許技術
 ③商標権
 ④著作権
 ⑤その他特許権の使用権

八.贈与による収入
 貨幣性と非貨幣性の双方とも

九.その他収入
資産売却(評価)益、期限切れ未還付包装物敷金、返却不能買掛金、貸倒処理した後回収できた売掛金、債務組合による収入、補助金、違約金による収入、為替差損益等

つまり年度収入総額とは、貨物販売収入、財産の譲渡、生物資産(木、家畜)、配当収入
レンタル収入、特許権、技術(ロイヤリティ)の収入
贈与の収入、その他の収入を指す

控除と損金
実際に発生した(発票主義)をとっており、収入実現と関係している
合理的に処理される
PPTその2

各種控除(損金)
 ①実際に発生した (発票主義)
 ②収入実現と関係している
 ③合理的

基本分類
 ①原価
 ②費用:営業、管理、財務
 ③税金:消費税、営業税、付加税等
 ④損失:経営、投資、その他

例)売上1000,000に対して招待費5,000の場合、利益は995,000
 一部原価、損金算入基準
 ☆福利厚生費上限:給与総額の14%
 ☆工会(組合)費上限:給与総額の2%
 ☆教育費上限:給与総額の2.5%(繰延可)
 ☆接待交際費:発生額の60%
        上限は売上総額の0.5%
 ☆広告費、販促費上限:売上総額の15%(繰延可)
 ☆公益性寄付上限:年度利益総額の12%
 損失の控除基準
 ☆「企業資産損失税前控除管理弁法」
 損金不算入(第十条)
①投資者に支払った配当金
②企業所得税税金
③税金の滞納金
④罰金、没収された財物の損失
⑤協賛金
⑥批准されていない準備金
⑦収入の取得に無関係のその他支出
 減価償却してはいけない固定資産
(第十一条)
①建物以外使用されていない固定資産
②レンタル方式で借りた固定資産
③リース方式で貸した固定資産
④減価償却終了した、なお使用している固定資産
⑤経営活動に無関係の固定資産
⑥単独で固定資産として計上されている土地
⑦その他減価償却してはいけない固定資産
 原価(在庫)の評価(第十五条)
 ①先入り先出し法
 ②加重平均法
 ③個別法
   年度収入総額
 ー 納税免除収入
 ー   免税収入
 ー 種控除(損金)
 ー 以前年度累損
     納税所得×税率-減免税額ー相殺税額
    =納税額
二重納税回避 (第二十三条)
 ☆海外所得を申告すること
 ☆相殺上限:当年度本来の納税額
  超過した部分は5年間繰越
一般の優遇形式
 ①収入を減らす
  (免税、納税免除)
 ②税率を低く設定する
  (20%、15%、10%)
 ③損金加算
 ④税金免除
業種、項目による優遇
 (第二十五条、第二十七条)
 ☆関連「目録」の確認
 ☆関係政府部門の事前審査、許可
・小型企業(税率20%)の基準(第二十八条)
①工業企業:年間納税所得30万元以下 従業員数100名以下 資産総額3,000万元以下
②その他企業:年間納税所得30万元以下 従業員数80名以下 資産総額1,000万元以下

基本分類
原価
費用 営業 経理 財務
税金 消費税 営業税 付加税 等
損失 経営 投資 その他
「税収徴収管理法」との関係 四半期ごとの仮払制度
「中華人民共和国外商投資企業和外国企業所得税法」が廃止された。
 (第六十条)
財務会計
目的:客観、公正的 に企業の財務状況、経営成果、キャッシュ・フロー及び財務変動状況を反映すること。
使用者:所有者、債権者、経営者、政府部門、社会大衆
◎棚卸資産     ◎長期投資
◎投資性不動産   ◎固定資産
◎生物資産     ◎無形資産
◎非貨幣性資産交換 ◎資産損失
◎従業員所得    ◎配当
◎債務処理     ◎後発事項
◎収入       ◎建築契約
◎為替       ◎関連方披露

会計上の確認条件
①商品所有権に伴う主要なリスク及び利得を買手に移転した。
②企業は販売した商品に対して、通常の所有権に関連する継続的な管理権を保持せず、また実際のコントロールも行っていない。
③収入の金額を確実に測定できる。
④取引に関連する利益が企業に流入する可能性が高い。
⑤収入に関連する発生した或いは発生可能性のある原価が確実に測定できる

中国の企業所得税率: 25%
日本の企業所得税率: 40%

要点
 ①「独立取引原則」
 ②納税人が関連資料を提供する義務
 ③一連反移転価格措置
  ☆資本弱化 等

関連方の定義(「弁法」第9条)

(1)一方が直接または間接に他方の持分総額の25%以上を保有する場合、或いは双方が直接または間接に同一の第三者により持分の25%以上を保有される場合。一方が中間者を通じて他方の持分を間接的に保有する場合、一方の中間者に対する持分比率が25%以上ならば、一方の他方に対する持分比率は中間者の他方に対する持分比率により計算する。

(2)一方と他方(独立の金融機関を除く)の間の貸借資金が一方の払込資本金の50%以上を占める場合、或いは一方の貸借資金総額の10%以上について他方(独立の金融機構を除く)の保証を受けている場合。

(3)一方の半数以上の高級管理者(董事会メンバーと経理を含む)或いは少なくとも1名の董事会をコントロールできる董事会の高級メンバーが他方から派遣されている場合、または双方の半数以上の高級管理者(董事会メンバーと経理を含む)或いは少なくとも1 名の董事会をコントロールできる董事会の高級メンバーが同一の第三者から派遣されている場合。

(4)一方の半数以上の高級管理者(董 事会メンバーと経理を含む)が同時に他方の高級管理者(董事会メンバーと経理を含む)を務めている場合、或いは一方の少なくとも1 名の董事会をコントロールできる董事会の高級メンバーが同時に他方の董事会の高級メンバーを務めている場合。

(5)他方から提供される工業所有権、技術ノウハウ等の特許権がなければ、一方の生産経営活動を正常に行うことができない場合。

(6)一方の仕入または販売活動が主に他方により支配されている場合。

(7)一方の役務の受入または提供が主に他方により支配されている場合。

(8)一方が他方の生産経営、取引を実質的に支配し、或いは双方がその他の利益
上の関係を有する場合。本条第(1)項の持分比率には満たないが、一方が他方の主要な出資者と基本的に同じ経済利益を受ける場合及び家族、親族関係等を有する場合を含む。

国税発[2008]114

同期資料免除「弁法」第15条

①「年度において発生した関連者との売買の金額(来料加工業務については年度における輸出入の通関価格により計算する)が2 億元以下、且つその他の関連取引の金額(関連者との資金融通については利息の受払金額により計算する)が4,000万元以下であること。上述の金額には、企業が年度内に実施したコストシェアリング或いは事前確認に関わる関連取引の金額を含まない」

②APA(Advance Price Arrangement)予約定価

③外資の持分が50%未満で、且つ中国国内の関連者のみと関連取引を行っていること。
注意:国税函[2009」363
独立価格比準法(「弁法」第23条)
「独立価格比準法は、非関連者間で行われる、関連取引と同様または類似する業務活動の価格を関連取引の公正取引価格とするものである。」

独立価格比準法
☆良い点 合理的で、分かりやすい(すべての関連取引に適用される)
☆問題点 比較対象となる独立取引を探しにくい

再販売価格基準法(「弁法」第24条)
「再販売価格基準法は、関連者が購入した商品を非関連者に再販売する価格から、比較対象非関連取引の総利益を控除した後の金額を関連者の商品購入の公正取引価格とするものである。」

再販売価格基準法の計算式
☆公正取引価格=非関連者に再販売する価格×(1-比較対象非関連取引の総利益率)
☆比較対象非関連取引の総利益率=比較対象非関連取引の総利益/比較対象非関連取引の純収入×100%

再販売価格基準法の適用
 再販売価格基準法は通常、再販売者が商品に対して外型、性能、構造の変更または商標の取替等の実質的な付加価値加工を行わない、簡単な加工或いは単純な売買業務に適用される。

原価基準法(「弁法」第二十五条)
「原価基準法は、関連取引で発生する合理的原価に比較対象非関連取引の総利益を加えたものを関連取引の公正取引価格とするものである。」

原価基準法の計算式
☆公正取引価格=関連取引の合理的原価×(1+比較対象非関連取引のコストプラスマークアップ率)
☆比較対象非関連取引のコストプラスマークアップ率=比較対象非関連取引の総利益/比較対象非関連取引の原価×100%

原価基準法の適用
原価基準法は通常、有形資産の売買、譲渡及び使用、役務提供または資金融通の関連取引に適用される。

取引単位営業利益法(「弁法」第二十六条)
「取引単位営業利益法は、比較対象非関連取引の利益率指標をもって関連取引の純利益を確定するものである。利益率指標には、資産収益率、売上利益率、ネットコストプラスマークアップ率、ベリー比率等を含む。」

取引単位営業利益法の適用
取引単位営業利益法は通常、有形資産の売買、譲渡及び使用、無形資産の譲渡及び使用、役務提供等の関連取引に適用される。

利益分割法(「弁法」第二十七条)
「利益分割法は、企業とその関連者の、関連取引の合算利益に対する貢献に基づき、各自に配分されるべき利益額を算出するものである。」

利益分割法の分類
☆「一般利益分割法」は、関連取引の各当事者が担う機能、負担するリスク及び使用する資産に基づき、各自が取得すべき利益を確定するものである。
☆「残余利益分割法」は、関連取引の各当事者の合算利益から、各当事者に配分する通常利益を控除した残額を残余利益として、各当事者の残余利益に対する貢献度に基づき、それを配分するものである。

 ☆良い点
 比較対象に対する高くない要請
 関連各社の利益を全面的に見られれる

 ☆問題点
 内部資料の客観性
 内部資料に対する高い要請

利益分割法の適用
利益分割法は通常、各当事者の関連取引の統合性が高く、且つ各当事者の取引結果を単独で評価することが難しい場合に適用される。

以下は口頭説明
利益と課税所得
売り上げは招待費と利益

利益と課税所得の違い
課税所得
利益と損金参入の差がある
福利厚生費
任意福利厚生費

工会費2%
広告費 売り上げの15%
損失の控除
企業資産損失税前法
税金還付→財政補助
輸出還付(輸出保護)
業種項目による優遇
関連目録の確認
事前審査と許可
税収徴収管理法
増値税は条例で法では無い
四半期ごとの仮払制度

中華人民共和国外商投資企業和外国企業所得税法は廃止された

確定申告で差異を修正する
財務会計 税務会計 の2重状態を調整

特別納税調整
特別納税調整実施弁法(試行)

自己紹介

以上で第一部が終わり、ここで初参加の方の自己紹介です。

和泉さん(楽天就職予定)復坦大
「そのこ」の 元蔵さん (故、鈴木園子さんの店)
「漢和塾」の小川さん

第二部:複雑な法律について

利益の移転はどのように行うか?

例)A社に関連企業の存在する場合

利益を移転させる場合、累損が日本にあると納税の必要が無くなる(株価に反映)
ロイヤリティで操作すると中国の納税額で済む
グループ内での利益コントロールを行うことが出来る
中国は以上の事を行わせない為に移転価格税制を実施している
(許すとTAXヘッジされてしまうから)

特別納税調整について
要点
①独立取引原則
費用・取引価格が非関連企業との比較をして独立取引かを審査
②納税人が関連資料を提供する義務 無罪推定と有罪推定がある
 無罪ならその証拠を被疑者が出す
((この法はアメリカの証券取引法と同じで、神の見えざる手を認めない))
③一連反移転価格措置 
経営陣の滞在状況への判断(事実経営場所の認定)
資本弱化 等
資本強化→対外債務(日本からの借り入れ)外債登録=損金算入
 増資=配当
 借り入れは税金が安くなる 払い込み資本金を超える借り入れには税務署が注目する

独占禁止法
集団合議による価格操作の禁止
税法としては、個人所得税法と企業所得税法がある

一般納税調整との差異
更正所得金額・更正件数の推移日中比較
中国は件数が減り金額が上昇

動機資料化を進める法律
関連企業定義の8つの条件
①資本関係25%以上
②貸借金が資本金の50%以上若しくは保障が10%
④半数以上の高級管理者 経理と董事あるいはコントロールできる1名以上の高級管理職
⑤技術、工業使用権 (商品ノウハウ、販売技術、工業所有権)
⑥仕入れ販売活動が他方によって支配されている場合
⑦役務の提供
⑧経営画者、出資者の親族が経営に関与 直系が5代、傍系は3代まで

判例法
現在は暗渠になっていて、香港では委託持ち株会社が流行っている

関連業務往来報告書
注意点 定価方法の決定方法 妥当性の証明
追徴課税
得るものが多いという有罪推定を元に追徴課税・有罪判定される。
酷いと密輸罪で実刑になる
注意!
調査に入る場合はすでに税務署は確証を掴んでいる
全ての帳簿に調査が入る
最大のリスクヘッジは正常の帳簿を付ける事です!

ケース①
2億以上であると税務署は目を付ける
移転価格のリスクは税法上でのリスクです。
この為、動機資料作成作業がビジネス化しています。
法定代表人自筆サインが要求される免除は事前に必要だが、免除対象がある
取引2億か、ロイヤリティが4000万以上で無い場合
10年の保管義務がある

2009年7月6日に変更
国税局の通達では赤字企業は上記制約に関係なく用意をする必要が発生した通達を上海税務当局は転送していない。つまり上海では実施されていない。
但し、江蘇省では実施する様子

定価方法は6種を選択(6番目はその他)

独立価格批准法(弁法第23条)
取引比率を見られる(防止される)
信憑性の問題

再販売価格批准法
原価基準法
取引単位営業利益法 第26条 比率比較
利益分割法
関連法律・法規
企業所得税法の一部
実施条例

感想

専門的な税法知識が無いと難解なお話を、判りやすく解説していただきました。
流石、SBFの実行委員。面目躍如といったところです。

食事会

時間:18時~21時(ぐらい)
出席:20名
会費:120元
開催:泰迪熊泰国餐庁
住所:泰康路248弄23号(勉強会会場から徒歩約10分)

勉強会終了後、徒歩で田子坊へ。
今回、叶さんが食事会に選んだお店は、田子坊のタイ料理店「泰迪熊泰国餐庁」でした。
非常に込み入った場所にあるお店ですが、この日はかなり寒い日なのにベランダ席まで満員でした。
辛いもの好きな方には病みつきになる程パンチに効いた味のお料理でした。
内装も非常にお洒落で、デートスポットには最適なお店。
今回も、ごちそうさまでした。

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