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2012.7.21|「軸受ってなに?」 会社紹介と工場見学会

2012.7.21|「軸受ってなに?」 会社紹介と工場見学会

開催概要

テーマ 「軸受ってなに?」 会社紹介と工場見学会
日時 7月21日(土) 14時30分~17時
講師 上海自潤軸承有限公司(上海オイレス工業) 総経理 上村幸治さん
出席 31名

概要

本日は会場まで、皆でバスに乗り合わせて行きました。
上海自潤軸承有限公司さんでは、「軸受」という特殊な部品を中国国内で製造・販売されていらっしゃいます。
今回は、その製造工場へおじゃまさせていただきました。
さて、SBF史上初の工場見学は、一体どんな感じだったのでしょうか?

【勉強会】第1部:軸受ってなに?

まず、会議室にて「軸受」というものについて伺いました。
機械は、ネジや歯車などの要素部品で成り立っています。
上海自潤軸承有限公司(オイレス工業株式会社)さんでは、その中の軸受と呼ばれるものを作っていらっしゃいます。

●軸受の分類は2種類
・転がり軸受け(転がり抵抗で回転運動を支えている)
・滑り軸受(摩擦して軸を支える)
 →オイレスさんでは、滑り軸受をつくっていらっしゃるそうです

●軸受の起源
重たい石を丸太ではこぶ構造がその起源と言われています
(紀前700年くらいにはあった技術)

●すべり軸受とは
重い貨物を運ぶとき、馬車等の車の接続部分がその起源らしいです。

●軸受の要求特性
外輪・内輪・玉などで構成され、摩擦抵抗を軽減して定期給油が必要なモノが多く、現代では、車軸と軸受だけで構成されたものもある。
 ↑この方が定期給油が不要なため、環境にやさしくイージーメンテナンス
 ↑こちらをオイレスさんでは作っている
 ↑部品の数が少なくて済むので省スペースでお得
 ↑油脂分がなくても摩擦係数がμ0.2-0.4

●転がり軸受と滑り軸受のちがい
転がり軸受
 部品が多い
 摩擦係数μ0.03-0.05
 材料の疲労限界で破断
 耐荷重性 不利
 定期的なメンテナンス、定期的な潤滑が必要

滑り軸受
 部品が少なく省スペースでOK
 潤滑油があればμ0.05以下
 摩擦による寸法重量減で破断
 耐荷重性は有利
 メンテナンスも少なくてOK

●給油軸受と自己潤滑軸受
油を入れるものと、炭素の棒(グラファイト)に油を入れて湿らせて潤滑させるタイプのモノがあるそうです。
 ※黒鉛と金属が摩擦すると電位差が発生して腐食する弱点があります。
  だから、水などを使わず、科学物質を使っている構造のものもあります。
 ※特殊タイプとしては、空気の圧力で浮かせる空気軸受などもあるが、上海では作っていないそうです。

●トライボロジー
摩擦・摩耗・潤滑 を対象とした学問や技術の総称をトライポロジーといいます。
「相対運動をしながら、互いに作業しあう面、ならびにそれに関する諸問題と実地応用を対象とする学問」と技術というのが定義
 ※詳細を説明するには総合的な学問が必要なので、割愛します。

●摩擦の歴史
約3800年のエジプトの絵画にて60tの重さの像を運ぶとき潤滑油をかけながら引っ張っている絵があり、この頃から摩擦という概念が存在していたと言われています。
このころから、摩擦に関する研究がされていたらしいです。

●摩擦を大きくして活用する技術
例)ねじ
  凸凹にカットしている部分で引っ張る力が発生します。
  表面積がふえ、摩擦の力が増大して固定することができます。
   →応力緩和などが起こると離れ、ボルトが外れる
例)地震(プレートの摩擦面)
  陸のプレート同士も摩擦の力が働いています。
  この摩擦面で応力緩和が起こり離れると、地震が発生します。

●トライボロジーへの要求
摩擦の抑制・・・エネルギー、効率、機能等
表面損傷の軽減・・・資源、故障、寿命等
環境負荷の軽減・・・騒音、振動、汚染等
 →これらの要求から生じる問題を解決する企業努力をしているそうです。

●トライボロジーの歴史
15世紀 産業革命が起こる
 →摩擦に関する研究がなされ、数々の法則が発見されている
 →レオナルド・ダ・ビンチが摩擦の実験の絵を書いている

●アモントン・クーロンの法則
μ=F/W
摩擦係数(μ)は荷重(W)に依存しない
摩擦係数はすべり速度に依存しない

●摩擦摩耗のメカニズム
個体接触について
物体状態が接触すると、粗さやうねりが存在しているので平面どうしの接触であっても、粗さの突起どうしの接触となる。
(宙に浮いている部分は必ず存在する)

●潤滑方法と接触形態
固体潤滑(乾燥摩擦)
境界潤滑(境界摩擦)
流体潤滑(流体摩擦)

接触面は摩擦で別の化合物になる場合がある
そのとき、物質同士が引きちぎられることがある→摩擦力

・・・と、専門的な内容が続々と続いておりますが
話が難しいので、レポートはこのへんで割愛させて頂きます。

●自己潤滑軸受
オイルレスベアリングの種類
 ・樹脂系
 ・複層系
 ・金属系
  →エアベアリング(半導体製造装置で薄いガラスの膜を輸送するときに使われる)
 液晶の画面等は空気で浮かせて運ぶ様になっているらしい。
 只今第七世代で、かなり高い精度が求められるシビアな世代。

●オイルレスベアリングの使用例
自動車用樹脂 複数ベアリング
家庭製品
 FAX、コピー機、など、紙を送る機械のパーツ
 介護用支援ベッド
 ビデオデッキ
産業機械用金属ベアリング
 油圧ショベル、ブルドーザー、ゴミ収集車、産業ロボット、射出成形機 等
 構造機器用金属ベアリング 寿命50年程度
 タワーリンク(道路と吊り橋の柱の接続部分、揺れや歪の吸収のために入っている)
 ダムゲート
 浮体橋
 三峡ダム(パナマ運河式の船運搬装置)
  →ココの人字門のベアリングは860t+水圧+その他の圧力に耐えている
  →写真も見せてもらったのですが、ものすごく大きかったです。
  →取り付け作業も危険だった らしい。

以上で、カタイお話は終了!
ここから、3班に別れて工場の中を見学させていただきました。

第2部:上海自潤軸承有限公司さんの見学!!

従業員 126名
ISO9001、14001種得
売上高 7390万RMB
出資→オイレス工業90%、台湾企業10%

上海オイレスさんの工場の建屋を3つ見学させてもらいました。
どの建家も、整然と機械が並び清掃も行き届いており、かつ従業員の真剣な就業態度を拝見し、従業員教育の高さがしのばれました。

建屋その1)
非金属系、小型のベアリング製造
最近できたばかりで、きれいな建物でした。
作業機械も材料もほとんど中国で調達しているそうです。
また、作業をしている方の女性比率がけっこう高い!
男女比率は、男性6割、女性4割とのこと

建屋その2)
金属系の部品に黒鉛(グラファイト)を埋め込む工程の建屋
現在建設中の場所では、ダムの水門などでも使える、大きいベアリングを製造できるようになるそうです。

建屋その3)
銅が主成分のパイプをベアリングに加工する工程を見学
初期の建物で、工場独特の重々しい雰囲気がありました。

本日は、夏の電力制限で稼働日になっており、土曜日でありながら出勤されている方が結構いらっしゃいました。

《質疑応答》

Q.転がり軸受けからすべり軸受への変更
 すべり軸受から転がり軸受けへの変更っていうのは起きているの?
A.業界によってまちまち。
 工場内の設備をかえるときなどに、一斉にかえる事が多い。また、用途や単価によって、いろいろかわる。エコなどを重視してすべり軸受にかえる場合もある。

 また、すべり軸受から転がり軸受けへの変更はあまりない。
 自己潤滑性の軸受にかえることによって寿命が伸びることがおおい。

Q.休日出勤等も多いようだけど、総合計算労働時間制みたいな感じで残業代や休日手当がつかないようにしているの?
A.法にふれないような労働契約しています。
 また、休日出勤や残業はちゃんと手当が出ます。

Q.営業は中国系をメインにしているということですがどんなアプローチをしているの?
A.ローカルメーカーさんは、海外の完成品を買って解体して調べています。
 買って作ってみるとこから始まるので、必然的に使っている部品のメーカーさんに注文が入る。あと、元々ブラックボックスにしているメーカーもあり、中身を変わらないようにしているところもある。
 その時は、直接営業活動(採用実績をみせるPR)をしている。
 直販形式で、顧客が600以上。営業5人・・・商社戦略もとっている。

Q.技術などの知的財産はどうやって守っているの?
A.技術をわからないようにするため、昔は日本から全て持ってきていたが、コストが高すぎた。そこで、隠すことはやめてだんだんとオープンにしてきた。
 材料の添加物はオープンにして、大切な根幹技術は未だにブラックボックス。材料はほぼ現地で調達。オリジナル材料。
 材料置き場の問題もあるので・・・限界があります

ということで、終了!

なかなか、工場を見学する機会がないので非常に勉強になりました!
上村さんをはじめ、スタッフの皆さまありがとうございました!

初参加者の紹介

  • 桜庭 一志さん 五恵野(上海)貿易有限公司
  • 島倉 圭太さん 金城国際保険経紀有限公司
  • 渡邊 信幸さん 上海盈盛有限公司
  • 甲元 辰雄 日郵物流(中国)有限公司

食事会

店名:小城故事 (台湾料理) 上海市淮海中路1414号1F(×復興中路)
会費:157元
出席:29名
この度は、バスをチャーターしての見学会ということもあり普段なかなか足を運ぶことができないお店でのお食事会になりました。
小城故事さんは、本格的な台湾料理の老舗で、参加者全員、本場の台湾料理を堪能させていただきました。

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