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2012.11.17|タオバオモールから見える中国人消費者

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開催概要

テーマタオバオモールから見える中国人消費者
日時11月17日(土) 15時~17時30分
講師上海賽優商務諮詢有限公司(上海TU) 渡辺 篤さん
出席30名

概要

上海ビジネスフォーラム勉強会イメージ

タオバオ(天猫)は今や世界最大のショッピングモールといっても過言では無いほどの規模の取引が日夜行われています。しかし、全て中国語表記や文化の違いなどから、日本人はちょっと・・・と思われている方も多いのではないでしょうか?
今回は渡辺さんから、中国と日本の消費者の違いを交えながら、タオバオについての貴重なお話を伺いました。
渡辺さん開口一番「このような講演は初めてなどで緊張しています」とのお言葉でしたが、とんでもない!軽妙な語り口で私たちを魅了させ、あっという間の2時間半でした。

【勉強会】第一部 2012年中国の各種ECデータ

●ECとは?

ECとは、電子商取引(e-commerce、エレクトロニックコマース)の略です。
インターネットなどのネットワークを利用して、契約や決済などを行う取引形態のことで、ネットワークの種類や取引の内容を限定しない、包括的な意味を持っています。

●中国のインターネットの利用状況

中国のインターネット人口は、昨年の時点で5億人を突破し、今では全人口の2人に1人はネットユーザーといっても過言ではないほど普及してきています。
インターネットの普及に伴い、ネットショッピング利用者も年々増え続けてきており、今では2億人近い中国人の方がネットショップでの買い物を楽しんでいます。

中国のインターネット利用状況

●「双十一(しゅあんしーいー)節」

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中国で行われている大々的なセールイベントのひとつで、近年毎年11月11日に開催されています。元々は独身の日です。何故か?1が4ツも並ぶ日だからです。
それが婚活などによるプレゼント交換などから大きなセールスイベントに育ってきました。
このセールイベントは日本には無い文化なので、このイベントを認知している日本人の方は非常に少ないようです。
タオバオモールでも11月11日にイベントが盛大に行われており、今年は1日で191億元の売上がありました。上海TUさんが運営しているネットショップも複数店舗が1日で通常の100倍の売上を示しました。

●中国のEC利用状況

中国のEC利用状況

EC市場規模は刻々と変化をしており、2010年 4609.9億元 2011年 7665.8億元 2012年Q3まで 7807.7億元と大きく成長しています。
(上記の金額には旅行サイトでの航空券等の決済額は含まれないので、実際は更に大きな市場規模であることが窺えます。)
まだ発表はされていませんが、2012年第3Qは、前記の双十一節の関係で伸びが鈍っていますが、4Qは4000億元を超えると予想されており、2012年は最終的に1.2兆元を超えると予想され、2010年から2.6倍の成長を見せるのではないかと言われています。

●中国のEC BtoC(お店対消費者) と CtoC(消費者対消費者)

タオバオは2009年からBtoCサービスを開始したのですが、その頃はまだCtoCが大半を占めており、92.2%がCtoC、残りの7.8%がBtoCという状況です。
これが、2012年Q3には BtoCの割合が32%まで増加しています。

CtoCは便利で安いのが特徴ですが、粗悪品(偽物)が出まわるなど、消費者の信用をなかなか得ることが難しいという側面がありました。そのため、信用を得るためにBtoCで取引をおこなうケースが増えてきています。

中国のEC BtoC(お店対消費者) と CtoC(消費者対消費者)

今年はBtoCが全体の40%まで拡大すると予想されていますが、その成長を支えている要因には下記のような事が挙げられます。

  • 巨大な広告投下TVCMや交通機関での集中掲載
  • 老舗企業のEC参入(蘇寧、百麗グループなど)
  • 専門サイトの成長(主力は依然としてデジタル家電とアパレル
    その中でも、靴、大型家電、女性アパレルは、ユーザーの成熟・習慣化によって市場の拡大および標準化が加速し、各サイトでの競争が一段と熾烈になっているが、それと同時にそれぞれ売り上げも順調に伸ばしている
  • 巨大モールが市場をけん引。(タオバオ、京東、電化製品を中心とした巨大ネットモール等)
    現在の中国のEC市場は年々規模が拡大していが、各サイトのシェアはここ2年ほど大きな変化がない。

ちなみに、BtoC市場においては、タオバオ、京東など、大手モールがシェアの大半を締めています。各社の市場シェアについては、タオバオが約54.6%、京東が約21.8%、残りの約24%をその他のECモールが分け合っています。

●タオバオの概要

タオバオの概要

タオバオモールは、2011年の段階で出店数が約48000店舗にのぼる大型ショッピングモールです。2011年12月より出店ルールが改定され、出店の保証金が値上がりした事がきっかけで撤退する店舗が多数あったようですが、それでもこれほどの規模を誇っています。
同年度の楽天出店店舗数と比べると、その規模の差がよくわかります。
しかし、モバイルを利用しての取引は、日本に比べまだまだ利用者が少なく、今後の課題となっています。(ちなみにタオバオでは「双十一」の後、2011年は12月12日にもセールイベントが行われ、その時、2011年の1日での最高売上高43.8億元を記録している)

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また、タオバオには旅行部門もあり、そこでの年間売上は109億元です。
中国最大手の旅行サイトCtripの売上高が430億元なので、タオバオ旅行部門がどれくらい伸びているのかがよくわかります。

●タオバオの出店形態

タオバオに出店は中国に小売りのライセンスを持った法人が必要です。
出店形態には下記の3種があり、旗艦店での出店が望ましいようです。

・旗艦店
ブランド保有者またはブランドホルダーから授権書を与えられた者
旗艦店は1店舗のみ出店が可能で独自ブランドまたはそれに紐付された子ブランド

・専売店
ブランド保有者またはブランドホルダーから授権書を与えられた者
専売店は複数店の出店が可能、独自ブランドまたはそれに紐付された子ブランド

・専営店
正規の商品調達ルートが証明できれば授権書は必要なし。
複数ブランドの販売が可能

●出店に関する問題点と解決策

・在庫の確保
インターネットでの販売は検索に引っかかるかどうかがポイント。
在庫が切れると売れない状態になり、検索にかからなくなる。売り切れると表示されないので、常に在庫がある状態にする必要があります。

・担当者の設置
現地スタッフに権限の移譲をしていないと、速やかな対応ができません。Net Shopが命です。現地スタッフの体制がしっかりとできていないと負けます。

・中国にあった商品
日本で売れているモノが中国で売れるとは限りません。中国人に受け入れられる好みや価格帯も異なります。中国で誰も知らないBRANDは売りにくいので日本と同じ感覚で販売するのは無理なようです。

・商品の良さをPR
「日本のBRANDだから品質が良い」という認知は過去の話。その良さをはっきり、丁寧に伝えないと買ってもらえません。「なぜ、どうして私たちの商品が優れているのか?」をわかりやすくPRすることが大切です。

●タオバオモール出店に関する問題点とその解決ポイント

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・代金の回収は本当にできますか?
→タオバオの場合は、決済を第三者エスクローサービス(アリペイ)が導入されていますのでほぼ100%回収が可能ですので、基本的に未回収は発生しません。

・偽物対策は?
→タオバオには知的財産を保護するチームもあります。通報するとその店舗にペナルティーが科せられる他、場合によっては出店停止にしてもらえることもあり、偽物に対しての状況は大幅に改善されています。

・集客はどうすれば良い?
→タオバオには、タオバオの中だけでの集客がメインとなります。外部の微博で集客をするっていう方法が有るのですが検索キーワードというようなものは存在していません。

・日本製である必要性は?
→必ずしも日本製である必要はありません。
→中国の消費者は、世界中の良い商品がメイドインチャイナ。
中国で生産されているものが非常に多いことを知っています。
→しかし、日本製に準ずる品質は求められます。

・タオバオで高額商品は売れるのか?
→中国人の購買力が上がり、信用性の向上にともない数千元の商品もネットで購入するケースが増えてきています。

●タオバオモールの中の日本企業

 静かにやっていたり、中国の企業が代わりに出店していたりするケースが増えており、全体像をつかむのがむずかしいのが現状です。
渡辺さん曰く、「ざっとみたところ、150社くらいかな・・・」とのことでした。

●タオバオモールの中の日本企業

 反日デモの影響などで日本企業が中国ECで戦うのは厳しいのではないかという声も出ていますが・・・そんなことはありません。

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上海TUでは、「日本製品は高くて売れないのではなく、売り方が中国に合っていないだけです。高品質な商品であれば、無名なブランドであっても売り方次第では十分戦えると考えています。日本にはまだそういったダイヤの原石があると確信しています。」とのことです。

 他の商品に勝るような特徴があり
商品ページでしっかり紹介し
中国の方が手の届く価格で売り出せば、
開店した月から売れ始めることもあります。 (幾つか事例をご紹介いただきました)

 日本の売れ残り商品を売りたいっていう話もありますが、売り残りを持ってきてもやはり売れないことが多いようです。

●タオバオモールの中の日本企業

 ポイントは 「中国人の消費者の意見を良く聞くこと」
日本に本社がある場合、中国戦略会議を日本人だけで行う場合がありますが、それはできる限り避けるべきです。
中国市場の消費者は中国人!!彼らの声を聞くことが重要です。そのために、会議に中国人スタッフを加えて、意見交換をしましょう。

【勉強会】第二部 タオバオ運営の舞台裏

●中国人消費者(ネットユーザー)の特徴

 タオバオでも悪質な業者がまだまだいます。したがって、企業出店が相手でも、非常に警戒心を持っているお客様も多くいます。

●クレームの受け方

 通常、お客様と出店者が専用のチャットソフトでコミュニケーションをはかります。
 お客様と出店者がチャットで対応し、チャット担当が様々な質問やクレーム等を受けます。

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《代表的な質問》

事例1;発送についての質問
 中国人は、落札(支払い)後、すぐ発送して欲しいというお話を受けることが多い。

事例2;本当に本物?
防水加工の時計などの製品では、本当に防水か確かめるため、新品の時計を30分くらい浸してチェックをする方もいる。

事例3;本当に日本規格?
買って自分の目で確認するまで信用しないお客様も多い。また、本物かどうかの判断が自分の分かる範囲でしか行われない場合もあり、本物であったとしても、信じてもらえないこともある。

事例4;本当にそうなの?
お客様が思った疑問(勝手な思い込み)を、そのまま商品の評価欄に書き込むので「本当にそうなの?」という質問がチャットに入ってくる場合もある。

事例5;チャット担当者全員に質問してみた
チャット担当者は、大型店舗では十数人もいる。
まれに、その担当者全員に質問をして全員同じ回答をしたことを確認してから購入をするような、注意深いお客様もいる。

事例6;チョット違うんで、返品します!
些細な差異(写真と色が違う、ちょっと大きさが違う)でも自分が思ったとおりのモノが来ないというクレームもあるが、ユーザーの無理難題も、中国市場では受付ける必要有り。

事例7;他で安いのを見つけたので返金して下さい!
 タオバオモールの場合、価格変更を行うことができない。中国市場では、金額に対する見方は、非常にシビア。

 しかし、必ずしも、このような困ったユーザーばかりではないのが中国のEC市場です。
 中国の方は素直に評価をします。本当に良かった、気に入ったという場合は、仲間に口コミをされるお客様が多くいます。(評価欄に書き込んだり、微博でも書き込んだりするお客様が非常に多いです)。
 こうして、新しいお客様が増える好循環が生まれやすいのも中国市場の特徴のひとつです。

 タオバオが進めている「消費者保障制度」が、出店店舗よりユーザー側が強く出る原因のひとつともなっています。
この制度はタオバオモール出店者に義務付けされており、これにより7日間以内の理由なき返品が可能になっています。(但し2次販売可能が原則)
この制度によりタオバオモール側はユーザーの信用を勝ち取ることができる反面、出店者は一定のリスクを伴い、チャット担当者を日々困らせる要因ともなっています。
しかし、そこまで保護しなければならないほど悪徳業者が多いことが問題ですが・・・。

●お客様の特長

内容省略

  • とにかく少しでも得をして購入したい!
  • プレゼント需要が非常に多い。
  • 発送スピード
  • 地方都市では手に入らないブランド・商品をタオバオで購入できる

●中国ECの現場の裏側(2012年11月11日イベント)

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今年の「双十一」のイベント準備から実施までの舞台裏をうかがいました。

9月中旬からお客様への提案、打合せ、イベントに向けての店舗ページの改装、イベントページの作成、告知など準備を整え当日を迎えました。

11月11日 AM0:00 イベント開始
 24時間体制で対応
 開始5分で1店舗150取引を記録。
 ひとまず、AM3:00までこの波が続く。
 AM8:00-10:00 2度目の取引の波
 タイムセールを行い、2時間で1200取引を達成
 PM10:30-12:00
 予算を使い切りたい消費者が殺到し、この日3回目の波が訪れる。

 最終的に、TUさん1日の通常取引額の100倍近い売上がありました。

 この日、タオバオ全体では、1億取引、191億元の売上を達成し、昨年の6倍程度を記録しました。しかし、これはタオバオのお祭りのようなものなので、この結果は仕組まれたうえでの成果です。この結果を鵜呑みにせず、コツコツを販売していく事が大切ですね。ただし、このイベントをキッカケとしてお客様が増えることは確かです。
 (タオバオに頼らない集客も課題です)

【勉強会】第三部 日本人にも使えるタオバオ

希望者をつのり、東城さんが実際に買い物をする様子を実演してもらいました!(100元までなんでも購入OKと、太っ腹ですね!)東城さんは、ご自宅にワンちゃんがいらっしゃるそうで、そのお洋服を購入したいとのことでした。 タオパオのホームページで次の操作を行い、10数分でお買い物ができました。1)商品検索2)商品選択3)欲しい商品の画像をクリックして詳細を確認4)購入する商品の決定5)決済ページヘこれで、おそらく月曜・火曜くらいに商品が届くはずです。詳しくは、直接渡辺さんにお問い合わせください。

ということで、本日の講演は終了!渡辺さんお疲れ様でした!

初参加者の紹介

  • 中井 登志恵さん モンペリエ・ブライベート・クライアンツ社
  • 小松 秀弘さん 世界市場ドットコム
  • 久木元 豊さん 東莞長谷川金屬制品有限公司
  • 石川 暁棋さん SHANGHAI CHEN QI TRADE CO.,LID
  • 大井 徹雄さん 富山県 上海市国際交流員

実行委員会からのお知らせ

  • 年末会12月8日の紹介
  • 13年1月例会幹事 12日に呉 明憲さん 拓知管理諮詢(上海)有限公司を予定
  • 13年2月 春節のためお休み
  • 13年3月例会幹事 東城 聡さん 高井・岡芹法律事務所を予定
  • 13年4月例会幹事 小貫 幸男さん 上海品貫貿易有限公司を予定

食事会

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◆食事会会場:咔滋亚休闲餐厅 かつや(日本料理)日月光中心广场4楼
◆時間:18時~21時
◆費用:170元/人
◆出席者:24名
今月は久々に日本料理店でのお食事会となりました。
今回は店長のはからいで、揚げ物・すき焼き・お鍋などの特別なお料理の数々を堪能させていただきました。最近冷え込みが厳しくなってきたこともあり、ホカホカのお鍋が大変美味しかったです!
お開きの後も、10人ほどが残り、楽しい歓談が閉店まで続いていました。

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