知っていないと晴天の霹靂。転ばぬ先の杖蘇州-上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

日時 9月27日(金)15:00~17:30
テーマ 知っていないと晴天の霹靂。転ばぬ先の杖
講師 蘇州霓佳斯工業制品有限公司 劉 榮物流部長
幹事 蘇州日発精密五金有限公司 藤田 勝彦 様
場所 勉強会:雨果珈琲(十全街980号)
交流会:三元賓館 レストラン
出席 17名
会費 勉強会会場費:600元 交流会会食費:1,927元

概要

勉強会会場にて自己紹介

今回の勉強会のテーマは通関に関する勉強会で『知っていないと晴天の霹靂。転ばぬ先の杖』、と題して通関を含む物流に関して、税関側からみた企業側の問題、物流会社から見た、企業の物流コスト削減提案など、物流に関する問題点を探り、物流をあるべき姿に構築するために、ケーススタデイを交えて問題点の検証しました。

講師は、
蘇州霓佳斯工業制品有限公司の劉榮物流部長
解説は磯田上海菱運国際貨運有限公司(三菱倉庫株式会社グループ)営業開発室室長代理。社命により急遽出張の為不参加

主な内容は既に配布いたしました、資料に基づき説明を申し上げた。

1.保税材料を使用して暫時国内販売した

蘇州-上海ビジネスフォーラム勉強会

昨年まで国内販売の使用分を年1回の核銷時に申告し其の分の関税、輸入増値税と延滞税を納付すればお咎めがなかったが今年は問題視され手冊1冊分が調査のため回収された、4冊の手冊を発行されていたので、通常の通関には差支えがなかった。処分は不明。

【解説】本来保税にて、輸入が出来るのは、保税品に関しては100%輸出すると条件で優遇措置を受けられる。これが基本である。よって、今までの処理方法が間違っていた。国内販売分は一般貿易処理して輸入することが正式なやり方であることをローカルの担当者が認識していないことと、上司が基本を忘れていたことが原因と思われる。

→ 税関内部での手続手順についての管理は毎年厳格になってきており、昨年出来ていたことが今年出来なくなった、という事は多くある。基本を把握した上で、簡便なオペレーションを企画する事は有益。但し経験則に頼ってしまうと、不利益をこうむるのは企業側となる。

2.員数不足を補う為通関書類の重量と現物重量に差異が生じていた

このことが税関に指摘を受けた。

【解説】通関書類と現物は一致しなければならないことは当然である。輸入の場合は密輸とみなされ重い処分を受ける危険性が大である。

  • 程度の問題。密輸が多くなされているであろう貨物には検査が厳しく、要注意。
    また、差異訂正は、本船上海着までのタイミングの訂正であれば問題ない。
    税関検査時に発見された場合には、最悪の場合密輸と看做され、検挙される可能性がある。但しやむを得ない事情がある場合には、通関業者の申請ミス(業者にペナルティー発生)税金を追加徴税という形での処理を目指し交渉の余地はある。
  • ちなみに、別ケースとなるが、重量不一致が良く発生するのが免税設備輸入。船積前に免税リストを作成し、税関の承認を受けていることから実際の船積数量と異なる可能性有り。免税設備輸入に関しては、出来るだけ積地情報を早く入手し、免税表情報との一致を確認、不一致の場合には船積情報の訂正を行う必要がある。

輸出の場合はまず税関と相談し、其の処理を伺うことも大事なことである。
輸出先の状況も確認して、問題が無いか確認が必要と思う。

3.認識していない内に密輸品を購入していた

特に意図としない内に密輸品を購入して、税関より密輸品と知りながら購入したかどうかで罰金を科せられたと言う気の毒な企業の実例があり、市場価格と大幅に値差があるものは特に注意し、その理由などを調べて合理的な価格である事を確認することが肝要であるとの指摘がありました。また、企業に責任があると言われても、日本本社までの責任追及は心配要りません。

  • 密輸品、といかないまでも税番を大幅に誤魔化して低関税で輸入してくるケースがある。(例;金属部材の成分の虚偽申告により節税)。税関の化学検査により露見した場合、過去に遡って税金の追加徴税を課されることになる。税番の調整、は実際のオペレーション上では、貿易会社などにより頻繁に行われてる事が予想されるが、リスクを把握して検討する有です。

以上のケースは他人事とは思われないので、会員同志で問題を共有化することも必要と思います。今後、通関問題が発生しましたらご一報いただくと有り難いのですが。

最後に今回色々な提案を提供しましたが、これは参考として、会員企業の所轄の関係官庁に確認されることをお勧めします。(中国は法治主義目指していますが、まだまだ担当者の判断に頼るところが多く、ここが中国ビジネスの困難なところと考えます。)

交流会

蘇州-上海ビジネスフォーラム食事会

勉強会のあと18:00~20:00まで
近くの三元賓館で17名全員参加して中華料理を食べながら楽しく交流を深めました。

以上、第6回の報告まで。

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