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「ERPの昨日、今日、明日」 中小製造業の管理情報化について蘇州-上海ビジネスフォーラム活動報告
開催概要
日時 | 1月18日(日)15:00~17:30 |
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テーマ | 「ERPの昨日、今日、明日」 中小製造業の管理情報化について |
講師 | 上海七棋麒商務顧問有限公司 宋 江東 |
幹事 | 上海丽宝商务咨询有限公司苏州分公司 薛 国栄、成瀬 正人 |
場所 | 乾生元假日酒店 |
出席 | 30名 |
内容
① 海外工場運営の魂について説明
生産計画・資材調達・物流管理間の協調の密着度。
具体的には、本社が顧客の注文情報を基に生産拠点を決定後、各地の生産拠点と顧客の需給連鎖(生産、供給、搬送、在庫などの総合計画)を確認。海外工場では人員計画、設備メンテナンス計画、歩留まり対策を日々確認。日本国内工場で生産計画の手配、製造指図・指導を各海外工場へ伝達する。その間の伝達、調整、物流が成功を決める。
したがって、顧客満足度を向上させるためには、Quality、Costは当然、Deliveryが勝負を決める。
② ERPの歴史と導入失敗原因について説明
ERPの歴史―1960年代後半は人々の消費対象は「生活に必要なもの」がメインで、製販方式も少品種、纏め生産、卸納品が主流であり、業務・管理電算化時代と言える。1980年代前半に入ると、次第に人々の生活にもゆとりが出始め、消費対象は「個々が欲しがるもの」へと移行していく。同時に製販方式も多品種、小ロット生産、JIT納品といった適応性が求められ、情報化・サービス注力時代へと進んでいく。1990年代に入ると、消費対象も更に多様化し、付加価値向上が尚一層求められるようになる。そういった需要に応えるべく、MRPからERPと導入されることとなったのはごく自然な流れだが、しかし、ERP導入にあたり失敗となるケースも目立つようになる。
ERP導入失敗現象
- 業務スピードアップの効果が無い。
- 自社の業務をパッケージソフトに合わせられない。
- ソフトのデータが現場数字と合わないため、システムを止め、手作業に戻った。Etc.
ERP導入失敗原因
- 業務の課題とシステムの課題の整理が出来ていない。
- ITの極限を知らず、情報システム部門またはベンダーに任せてばかり。
- 新しいプロセスに変える時、システムの技術難点がクリアされていない。Etc.
ERP導入について私見
- ERPの導入は設備を購入して稼動させるのではなく人体の臓器移植である。
- ERPの導入はソフトとシステムの組立ではなく、ソリューション(解決方案?)である。
- 部材需要量(MRP)、設備負荷(CRP)のアルゴリズム(数値計算方法)は“先天不足”?
③日中ビジネス環境の差異について説明
- 法律の差異(例:日本の「法人税」―中国の「企業所得税」に見る性質の違い)
- 教育の差異(例:大学入試の受験科目の違い)
- 文字の差異(例:日本語の「勉強」―中国語の「勉強」の違い)
④省エネ省力化のERPへの思考-中国で5S、報連相、IEの推進について説明
5Sの深耕―文字にとどまらず、言葉を変えて真の意味を理解できるように
例)整理:要るものと不要なものを分類して、不要なものを処分
→ Organization(重整再編)
現場作業に係わる作業指示書、不良限度の見本、生産日報、点検表などの整理
- 情報化の基礎は標準化(規律あるものを探す)
- 報連相には、ご鞭撻ご指導で馴れ慣れが重要
報告は仕事の必須
連絡は協力の基礎
相談はミス防止の手段
⑤ICTでIEの向上を成功させた事例も紹介
今回、内容が密でしたので、公式質問の時間がなく、ビュッフェ式交流会の時間で個人間の交流を行いました。