中国伝統社会・文化における儒教、道教等の影響蘇州-上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

日時 11月21日(土) 15:00~17:45(勉強会) 18:00~20:00(交流会)
テーマ 中国伝統社会・文化における儒教、道教等の影響
講師 太陽誘電(中国)投資有限公司 神谷輝雄氏(S-SBF会員)
幹事 光栄電子工業(蘇州)有限公司 武内隆
場所 勉強会・交流会とも桃園渡暇村(蘇州新区塔園路)
出席 勉強会:24名 交流会:20名
会費 150元(勉強会+交流会)

概要

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今年度3月テーマの続編で『近現代における中国農村社会の歴史及び文化的変遷の考察(Part2)』というサブタイトルを掲げ、“講義”が行われました。

今回は“勉強会”というより“講義”と呼んだほうがふさわしかったのではないでしょうか。前半は前回のおさらいを含め、中国古代からの土地制度の変遷、並びに農村社会構造の変容についての説明、休憩を挟んで本日のメーンテーマである、現代中国人の精神文化の根底にある儒教・道教・仏教の歴史を深く掘り下げて語っていただきました。2時間の講義時間では収まらないほどのボリュームでしたが、語り切れなかった部分については講師神谷氏のご厚意で資料を配布いただけるということです。(ご希望の方は幹事武内までメールにてご連絡ください)

私のような理系人間にとっては非常に難しい内容で、日頃宗教に殆ど無頓着ではありましたが、農村社会と土地制度、そして宗教とのつながり、儒教・道教・仏教の違いなどを知る良い機会となりました。また日本仏教の儀式はオリジナルではないことも今回初めて知ることとなりました。

また、当日最後に本年度最終会ということで、2015年度のS-SBF年間活動報告を事務局薛氏より行いました。

内容

1.土地制度の変遷

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・中国土地制度の変遷 古代~清朝~近代(新中国)
・郷土社会・差序格局について)
・土地革命 合作社~人民公社化)
・集団土地所有権の主体・性質

2.農村社会構造の変遷

・改革開放以降における農村社会)
・近年における農村等での、宗教制度の復興)
・宗族組織の復興と日中同族比較

3.現代中国人の精神底流を流れる儒教・道教・仏教の宗教的思想

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・儒教・道教・仏教の歴史)
・教学の時代と儒教の国教化への道)
・朱子学と教育)
・道教の発展)
・道教と他宗教との違い)
・儒教の農民社会への影響(郷紳の影響力))
・儒教影響の実態~「三従四徳」の概念)
・孔子の孝・悌・利)
・「和」と「不均」)
・儒教と現代

4.まとめ

儒教・道徳思想の再興と中国人の倫理観(テキストより引用)

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道教や儒教などの伝統的な家族倫理(孝を中心とする宗族信仰)は近世の動乱期に農村社会が流動化するにつれ次第に希薄化した、また近代に入り中国共産党による農村の集団化や文革の混乱を経てその伝統的倫理観は大きく変容もしくはほぼ消滅したかに見えた。しかし、改革開放以降、経済的なゆとりが生じると、より文化的な倫理的なものに目覚め、そのよりどころとして宗族再興の動きがでてくる。これは一旦は消滅したかに見えた伝統的家族倫理感が変容はとげつつも実際は受け継がれてきた由縁のものだと見られる。

今日表面的な儒教やあるいは古い呪術的な道教などは再興すべくもないが、心のよりどころ、道徳の崩壊が言われる中、アンチテーゼとしての考えを中心とする道徳観、あるいは宗族との関係における一体感などとともに、これら伝統的な宗教的儀式の模倣も含め、現代中国人の新たなこころの拠り所の一つになりつつあるのではないか。またその思考や倫理感などを考察するに際して、これら旧来の伝統的思考、倫理感を考察することは今日においてなお有用であると考える。

交流会

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