中国と日本の会計相違点① 仕入と為替差損益中国会計コーナー

第7回 2007年6月

中国の「損益計算書」には「仕入」という項目がない

製造型企業の「原材料」と「補助材料」を資産項目の「原材料」に計上するが、貿易型企業は仕入した商品を一旦「商品」計上してから、販売される分を「主営業務成本」(売上原価)計上する。

なお、外貨仕入するときは、当日の、または指定する為替レートで「商品」計上をしなければならない。また、これに対応する人民元金額の「応付帳款」(買掛金)を同時に計上する。「商品」は取得原価原則によって、金額変更はできないが、「応付帳款」は実際に支払う時、または月末為替調整する時に為替レートが変化する場合、その分の「匯対損益」(為替差損益)を計上する。

例:ある貿易会社は1月10日に商品US$100を仕入した。当日の対人民元レートは8である。(増値税を考慮しない)

借方:商品 800RMB (US$100×為替レート8)
貸方:応付帳款 800RMB

2月1日、その商品の半分(400RMB)を国内企業に1,500RMBで販売した。

借方:応収帳款 1,500RMB
貸方:主営業務収入 1,500RMB
借方:主営業務成本 400RMB
(販売した分のみ売上原価計上する)
貸方:商品 400RMB

2月10日、その商品の代金を支払った。当日の為替レートは7である。

当初計上した「応付帳款」の金額は800RMBであるが、人民元レート上昇したため、実際にUS$100を支払うのに700RMBしか要らなくなった。
その差額を「匯対収益」(為替差益)に計上する。
人民元レート降下した場合、「匯対損失」(為替差損)に計上する。

借方:応付帳款 800RMB
貸方:銀行預金 700RMB
匯対収益 100RMB

参考:「中国における会計制度と実効のある経理関係社内規程」(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)

上海誠鋭実業有限公司 叶 家胤

上海誠鋭実業有限公司 叶 家胤

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