オーディオという楽しい趣味をたのしんでみませんか?

オーディオという楽しい趣味をたのしんでみませんか?

第1回

私は2004年の12月より上海で仕事をしていますマランツ(上海)貿易有限公司の桑原と言います。今回よりオーディオや音楽に関して感じていることを書かさせていただきます。しばらくの間お付き合いをお願いします。

第一回目は日本のオーディオの歴史について書きます。

オーディオは一言で言えば再生音楽を聴く趣味です。 と言うことは何かしらに録音された音楽をなにかしらの再生装置で聴くということです。

ですからラジオで音楽を聴くのも一番シンプルなオーディオとも言えますね。 それではオーディオっていつ頃からあるのでしょうか?

磁気(金属の線や紙に磁性体を塗ったもの)の録音機やエジソンで有名な蓄音機は随分前から存在していました。 音楽を録音して再生して楽しむというよりも名前の通り大事なものを記録するものでした。

日本でも最初に蓄音機を製造したのは日本コロンビアの前身であるニッチク(日本蓄音機製造)でした。その後アメリカのコロンビアレコードの資本が入りSPレコードの製造も始まります。この頃までハードもソフトもすごく高くて特別な人だけのものでした。

一般に普及し始めたのはアメリカでLPレコード(長時間レコード)が開発されその後、ステレオ録音になった1950年後半です。

時代によっては生録ブームというのもあって録音すること自体もオーディオの趣味の一派をなしてもいました。 これは何しろ生の音(音楽だけでなく機関車の音や自衛隊の戦車の音なども)を自分のマイクや録音機を使って録音するのです。

あとで自分の再生装置で録音したテープを聴くのですが生録なのですごく生々しく再生できるのです。

しかしなぜかこの一派は廃れてしまいました。 さてステレオLPレコード発売になり国産のステレオ装置(音楽を聴く機械をステレオと呼んだ)が普及し始めた昭和40年頃でも手軽に買えるものではなかったようです。

ラジオ放送もFMステレオになりその頃からFM放送を録音機(テープに録音する機械)に録音すること(この行為をエアチェックと呼ぶ)がオーディオの趣味として流行し始めました。なぜならば当時LPレコード(あまり今と値段が変わっていない)が高くて買えなかったからなのです。

機材はカセットテープデッキがメインでお金持ちはオープンリールテープデッキで録音します。(当時NHK-FMでの外国のオーケストラの生放送等が格好の番組でした)

FMチューナーも高級機が登場し更にFM専用アンテナを庭に立てたりする人まで登場しました。 そしてFM専用の雑誌も現れました。(FMファン・週間FM)この雑誌の番組表を見て録音するのです。

その後貸しレコード屋というのが登場します。レコードを有料で借りてテープに録音します。ただ種類があまり多くなかったと思います。そしてレコードですのでどうしても傷が付きます。レンタルには向いていないメディアでした。

CD登場の後レンタルCD屋が現れ音楽ソースを有料で借りて録音するようになりました。

CDは耐久性があり小さく正にレンタル時代にふさわしいメディアと言えます。 借りて録音する時に使用する録音媒体であるカセットテープのブランドも種類も爆発的に増えました。テープ自体の素材の違いでタイプⅠⅡⅢⅣの四種類ありました。

(Ⅰ:ノーマル、Ⅱ:クローム、Ⅲ:フェリクローム、Ⅳ:メタル)もちろんテープの値段も様々でレコードと同じ位高価なものもありました。

またテープに録音するとヒスノイズと言ってサーという雑音が入るのですがそれを消すためのもの(ノイズリダクション)も登場します。 元々アメリカのドルビー研究所のドルビーというのが始まりでした。

大体のテープデッキにBタイプが標準装備されていました。 その後独立したノイズリダクションユニットも開発発売されました。

東芝のアドレスやDBX社のDBXなどがそうです。 ドルビーは最終的にドルビーCタイプまで発展しました。 このノイズリダクションもデジタル録音機の登場によって不必要になります。まずソニーのPCMプロセッサーが登場します。これはビデオテープデッキと一緒に使うとデジタル録音機になるという機械です。

そののちDAT・DCC・MD・HiMDなどが登場しました。 私はフィリップスの考案したDCCというものの販売をしたことがありましたが、ソニーの考案したMDに負けて消滅していきました。なにしろDCCはテープなのです。(今までのカセットテープも使えるという便利な機械でしたが・・・)

MDはディスクです。なんとなく発売前から勝敗は決していたのではないかと思います。 この二つのメディアにもパッケージメディア(CDのように音楽を録音したもの)が登場しましたが売れなかったのでしょう。レコード会社はこの分野からしばらくして撤退しました。 さて再生装置の方はどうだったでしょうか?

まずレコードからCDになり機材の形態が変化します。 レコードの時代では小型化が難しかったのですがCD時代になり小型化が可能になったのです。(大量生産も可能なのか低価格化も進みました)CDの登場と同時位にミニコンポにCDプレーヤーがオプション設定され始めます。そののちCDプレーヤーの価格が下がりミニコンポに標準装備され最後はラジカセまでCD付になりました。

レコードプレーヤーは逆にオプション設定されしばらく後に消滅しました。 しかし単品のレコードプレーヤーは今も健在で手軽なものはコンスタントに売れています。家にある昔買ったレコードを聴いてみたいという人が多いです。 扱いが面倒臭いレコードとは逆にパソコンで音楽を聴いたりネットで音楽を購入する人も急激に増えています。逆に気軽に音楽が聴けるようになった今、単品のオーディオ機器(HIFI装置)でじっくりと購入したCDを聴きこむという人たちも存在します。こういう人たちはオーディオブームの際の機械マニアではなくむしろ音楽ファンの方が多いように感じています。

私が秋葉原で専門店を担当していた10年前位から既にこの傾向は始まっていました。 「機械のことは分からないけれど何を買えば家庭で音楽会のような音を楽しめますか?」というご夫婦の方が多く専門店に足を運んでいました。こういう方はオーディオブランドや評判などを知らないので視聴して機材の選択をするのですが、音楽会の常連だけあり非常に耳がいいのです。ですからオーディオ誌のランキングや先入観に惑わされることなく音の良い機材を購入されていました。

こののちDVDソフトが登場し普及します。(LDも以前からありましたがカラオケ以外ではあまり普及しませんでした。) DVDの普及によって映像付の音楽や映画を高画質高音質で楽しめるようになっています。価格もずいぶん手軽になり過去の貴重な映像もずいぶんDVD化されています。 以外だったのはこんな映像も音声と一緒に同時収録されていたのか?ということです。

そして放送もラジオやテレビに加えてデジタルラジオ、デジタルテレビ、CS放送、BS放送、CS放送のラジオ専用チャンネルなど、聴き切れない位の音楽が高音質で放送されています。

今は世界の音楽が手軽に家庭で入手できる時代になりました。 音源的にはものすごく恵まれた時代といえるでしょう。これからの時代のオーディオという趣味はどうなっていくのか?

音楽ソースは沢山ありますから問題ありませんね。せいぜい高音質放送(有料)と放送されないマニアックな音源はCD等のパッケージメディアを購入する位です。(そしてCDでも音質が物足りない人はSACD(スーパーオーディオCDという更に音の良いCD)を購入する手もあります。)むしろ問題は再生系です。再生系というのは簡単に言えばスピーカーとアンプということになりますがここの部分は音源がどう変わろうと普遍的な部分です。

ここは手を抜いてはいけないと思っています。

演奏家が伝えたいと思うことを正確に再生しなければいけません。 元々CDなども製作現場では素人が思う以上に丁寧に大事に作られています。

スピーカーとアンプが良ければ同じCDでも全く違う演奏に聞こえたりします。 こうして見ると以前は機材の購入と音源の確保が中心(レコードをたくさん買える一握りの人は別として)だったのですがこれからは再生クオリティーを楽しむこと自体に軸足が変わってきたといえます。

そういう意味では非常に感覚を磨くといか楽しむ趣味ですね。

例えば自分が行った演奏会がそのままライブ版としてCDになったりするのですが、家庭で聴くとどういう風にに聞こえるのだろう?とか、同じ演奏家で同じ音楽で同じ演奏会場で録音日が違うものの違いは?とか、色々な楽しみがあります。決してその時代によいとされている機材を買うだけ(そして応接間に飾り付けする)の趣味ではありません。反対に極端なことを言えば、今は誰でも機材を買うことは出来ます。買った後には音楽を聴き込んでください。元々そのためのものなのですから。

ぜひ皆さんもオーディオという楽しい趣味をたのしんでみませんか?

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