各SBF活動は、新型コロナウイルスの影響もあり活動を自粛しております。感染状況及び安全性を鑑みて活動を再開させていただきます。

西洋医にするか漢方にするか

西洋医にするか漢方にするか

第4回 2013年09月

病気になった時に、日本人はほぼ間違いなく西洋医を選択すると思いますが、中国人ならある程度自分の症状から西洋医にするか漢方にするかを選別することができると思います。

漢方は中国では中医といいますが、科学技術が日進月歩の昨今、西洋医の医者から一般の人まで、どうも漢方は科学的な根拠がないと思っている人が多いです。何千年の歴史を経て、医学的な実践を積み重ねてきた漢方は、人体実験の数は西洋医学よりうんと多いです。その効果も確実に証明ができたものです。中国は日本と同じ、西洋医学が入ってくるまで、漢方しかなかった時代が長く、自然な食べ物や薬草、鉱産物を生薬として、たくさん人々の命を救ってきました。その理論や治療方法は貴重な文化資源として記録されています。

以前、中心病院の中西医結合病棟で十年ほど勤めた経験では、急病でも慢性病でも漢方を効かせる場面があります。急病の場合、西洋医の治療を70%にするなら、漢方は30%の割合にします。慢性病は逆の場合が多いです。例えば肺炎、虫垂炎の場合、高熱が治まらない時に、漢方を加えると、不思議に熱が下がってしまうケースが少なくないです。例えばウイルス感染で特効薬がない時にでも、漢方薬は対応することも可能です。実は2003年サーズが流行った時、上海は全国より率先して漢方を導入し、この結果、死亡率は他の地域より低くなり、漢方の投入後はゼロになったのです。慢性病の場合、西洋医学の薬では症状の改善は可能ですが、完治はできないことがまれではありません。

中西結合病棟とは、西洋医学の診断方法で、漢方の治療を行う臨床研究的な施設で、限られた人でないと入院や治療は難しい施設です。

普通の漢方クリニックに適応した病気は大体下記のようです。
① 西洋医学的な診断では病名など明確ですが、治療の効果が満足できない。
例えば頚椎病、腰痛、脱毛症、生理痛、不妊症、更年期障害、慢性胃腸炎、生活習慣病など。
② 自覚症状はいろいろですが、西洋医学的には病名がなかったり或いは治療方法がない慢性的な無気力、眩暈、耳鳴り、頭痛、ほてり、気分が晴れない、寝つきが悪い、かぜ引きやすい、冷え症など。
③ 予防的な服薬や治療。例えば喘息の場合、夏の一番暑い時期に、つぼに薬を貼って、冬に発病を抑えます。また、冬は体が一番栄養の摂取しやすいので、冬の間に漢方の薬で病気の予防や免役機能を向上させるのも中国一般的な習慣です。これは“冬令進補”と言います。

以上のように、病気になった時、ただ漫然といつもの病院に行くのではなく、西洋医か漢方医のどちらがより治療効果が高いかを自分で判断できる知識を身につけた方が良いでしょう。

健康管理コーナーカテゴリの最新記事