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人材紹介の流れについて

人材紹介の流れについて

第4回 2006年11月

先日、ある日系IT企業の日本人総経理より伺ったお話です。  ある人材紹介会社から推薦された応募者との面接の際、応募者が自社の情況を全く理解せずに面接に来ていることがわかりました。

この応募者は正確な会社名称も把握しておらず「○○駅付近の○○ビルの中の日系IT企業」という情報しか持たずに面接に来たとのことでした。

信じられない話ですが、上海では実際にこのような情況が頻繁に発生しています。責任は応募者本人と人材紹介会社の双方にあると言えますが、企業にとっては「無駄な面接」を招く大きな要因になっています。

先ず、応募者側は自分が応募する企業について全く研究していません。人材紹介会社側に情報を要求することも、インターネットなどを利用し自分で企業について調べることも怠っています。「とりあえず面接を受けてみよう」という感覚で、本人の職業観や性格まで露呈しています。

一方、人材紹介会社側としては、応募者に募集企業の情報を詳しく説明する責任を果たしていません。恐らく、本人の応募意思確認も怠っている可能性も高いでしょう。

このような経験を持つ企業や人材から話を聞くと、本人の了承を得ないまま企業に人材を推薦し、「○月○日にとりあえずこの会社に行って面接受けてみて」というケースがほとんどのようです。

勿論、全ての人材紹介会社がこのような業務の進め方をしている訳ではありません。標準的な人材紹介会社では基本的に下記のようなフローを経て人材紹介を進めています。

人材紹介基本フロー ポイント
1 企業求人情報の受付 求人情報以外の企業情報もヒアリングします。
2 人材への求人情報の紹介 企業から提供された全ての情報をお伝えします。
3 人材応募意思確認 人材の意思を尊重します。
4 面接スケジュール調整 双方の都合を調整し、早期に面接を実施します。
5 面接実施 必要に応じて人材会社も同席します。
6 人材応募意思確認 人材の意思を尊重します。
7 採用条件/入社日の調整確認 採用条件詳細を確認します。
8 確認書作成/署名 採用条件確認書を作成し、三方で署名します。
9 雇用契約の締結/入社 企業と人材が契約を締結し、人材紹介が成立します。

前述のようなケースは上記フローの2~4が不足している為に発生します。
(6~8のフローも省略されているケースも見受けられます。)

また、複数の人材紹介会社から同一の応募者が推薦されるケースなども、いずれかの人材紹介会社が人材紹介の基本業務を怠っているために発生するものと考えられます。

ここで注意したいのは人材紹介会社の担当コンサルタントとの連携です。人材紹介会社として業務フローを統一している場合でも、担当コンサルタントによってバラつきがある可能性があるためです。

人材紹介の基本業務を実行している人材紹介会社では、担当コンサルタントが応募者についての詳しい情報を把握しているはずです。

無駄な面接を防ぐ為にも、先ずは応募者が推薦された時点で、担当コンサルタントと連絡を取り、書類選考と平行して担当コンサルタントと情報交換を行うことが有効です。

同様に、人材紹介の進捗情況に応じ、担当コンサルタントと情報交換を行い、自社の採用活動の状況を把握しておくことは、採用活動における対応策の準備やトラブル防止にも繋がります。担当コンサルタントは常に応募者とも連携を取っていますので、企業にとって参考価値のある情報を提供してくれるはずです。

担当コンサルタントにとっても、企業からの問い合わせは嬉しく感じるものです。 人材紹介会社を利用し人材を採用される際は、是非、担当コンサルタントとの連携を深めてみて下さい。

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