第4回 2007年1月
2006年8月8日付で中国商務部、国務院国有資産監督管理委員会、国家税務総局、国家工商総局、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理総局連名で《外国投資者の国内企業合併・買収に関する規定》(中国語で「関于外国投資者并購境内企業的規定」をいう、以下、新規定という)として公布され、9月8日より施行されることとなりました。2003年4月12日に施行された《外国投資者の国内企業合併・買収に関する暫定規定》(以下、暫定規定という)を改正したものでありますが、条文は26条から61条まで増加しました。
新規定は《暫定規定》と比べると「出資持分による買収」と「特殊目的会社」に関する内容が追加されております。なお、外国投資者が中国国内で設立している投資性会社が国内企業を買収する場合も本規定を適用するとされております、大手企業の中国現地法人の再編戦略にも適用可能な内容を含み、更に合弁解消による外商独資企業の設立にも密接に関係のある内容が含まれております。
日系企業として注目される点は、第四章で外国投資者が上場された株式を支払手段として国内企業を買収・合併する道が開かれた点が重要で、その為の株式評価の条件及び資格要件も明記され、申請手続き等が明確になった点です。
従来の暫定規定にもあった内容ですが、独占禁止の審査についてより明確に規定されておりますので、今後の日系企業の中国国内企業買収戦略上は十分事前の調査が必要と思われます。新規定の内容を十分に理解した上で必要とされる企業戦略に活用することも可能になってきました。