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VMDとは!!

VMDとは!!

第3回 2007年7月

VMD/VMとは!

VISUAL MERCHANDISING(ビジュアルマーチャンダイジング)の事で、「視覚的商品化計画」などとよく書物などには書かれています。簡単にいうと「価値を高める関連陳列技法/演出方法」や「視覚的に訴求する陳列・演出」などにより、見やすく分かりやすい売り場づくりをしていく活動」「店のコンセプト(基本理念)に基づいたMD(商品政策)をVPすること」などです。

えっますます分からない!?

では・・・・「店舗において、目に見える全てのものを演出し、お客さまに喜んでもらうこと!」です。視覚的要素を演出し管理する活動であり、それは企業理念に基づいて決定されるのです。

では、VMDのポイントをいくつか紹介しましょう。

①店のコンセプトに合わせた商品をセレクトし、カテゴリー分類によって効果的に配置する!

→店内商品のデザイン別、素材別、カラー別、サイズ別を分類し、見やすく、選びやすく買いやすい商品構成の仕組みをつくる。商品を見せる所と商品を選ぶ所を明確にレイアウトする事がポイント。

②どの様な方法で商品をレイアウトし、どの様に商品情報を発信するか、最適な什器を用いて構成する!

→売れる商品アイテムを最優先に企画開発された商品計画に基づき、サイズ、カラーバリエーションをどの様に効果的陳列するかを考えます。売場の状況、什器形状、適正陳列数量を考慮した上で、商品を什器単位・商品計画単位品に揃えます。魅力的にカセットされた売場編成で、旬の商品情報を発信し、より効果的にお客さまにアピールする。

③売場全体を見回しバランス良く様々な陳列、演出拠点を設定する!

→店のプロモーション軸に基づいて、重要商品のVPを展開する。商品のライフスタイル提案に合わせた、魅力的なディスプレイを演出する。

来店客の心理を考え、表面化するだけだ!

色々と書き連ねましたが、大切な事はお客さまの真理を考えることです。VMDに含まれるあらゆる活動は結局「顧客心理に対してどのように対応策を先に打つか!」という事なので、常に来店客、またはターゲットとなる真理分析と状況判断を行っていれば自然と活動が行われるはずです。小さなプライスカードから販売員の指先までもが重要な要素であり、決して油断してはいけません。什器、トルソー、VP、照明、床の艶・・・などは言うまでもありませんが。

目に見えるモノ全てが対象である!

お客さまにとってもちろん商品は重要なのですが、先に述べたようにそれ以外に訴求されている要素も大変重要である事を意識しなければなりません。前号でも書きましたが、商品は最高!店舗環境も最高!後は、それをお客さまに手渡す販売員の対応が最高であれば、それは他店と差別化された空間になるに違いありません。そして販売員は“ブランドや店を背負っている“という意識をもてば、おのずとSIというものが表面化されるでしょう。会社決定で訴求できるPOP広告やプライスカードは、十二分に価値あるモノを展開できますが、生モノである販売員は継続した教育が必要でしょう。上海市内をいち消費者として歩き回っていても、教育が施されている店とそうでない店とでは歴然の差です。

浦東にある日系高級マンション内のレストランでは不器用ながらにもCSというものを表現しようと必死です。まずは笑顔、そして気配り・・・と。そもそもSCは心の表現であり、“決められた形や事をやれば良い”というわけではありません。お客さまに対する気持ちが本物であればあるほど、店舗内に表現されるCSは沢山訴求されているはずです。

満足感は人によって違う!

最近色々なところで“販売員のサービスについて“聞き取り調査をしています。みなさん決まって口にする事が、「なんで中国は・・・・」と少々プチお怒りモードでの返答。私は各人の“受け止める印象”を的確にキャッチするためあまり口を挟まず聞いているだけにしています。また「あの店はサービス良かったよ!」と好印象のサービスを受けた体験談も返ってきます。面白い事に良い店の話よりも悪い店の話の方が盛り上がっているのは日本人だからなのでしょうか・・・。

私はこの文化の差(サービスレベルの差)があるから仕事が成り立ち、今私が上海にいる!と考えています。クレームや不満足は、考え方を変えればビジネスチャンスであり、時として大きな産業を生み出します。当たり前でない事が当たり前に成った時、ソコにはもう大きな変化はなく、あとは微妙な差別化競争に入るしかありません。

私は帰国時に差別化競争の日本でのサービスを当たり前のように体感しますが、それはそれは見事なものがあります。そもそもつい衝動買いをしてしまうのが日本国。さらに素敵な笑顔のサービスを受け、心から満足した上お金を支払う!帰路最高の所有満足感に浸る・・・しばらくすると又買物に行きたくなる・・・・財布にはお金は少々・・・・この恐ろしさといったら誰もが経験していることだと思います。「街には出ない!」「行くと買物しちゃうから・・・」と考えた経験を持つ人は沢山いる事でしょう。

また反対に、タイミングが悪い接客や、押し付けがましいサービスを受け不愉快な思いをした事もあります。販売員への期待度が高いだけに、がっかりする思いは強く、クレームに匹敵する程の事もたまにあります。「一人でゆっくり商品を見たい!」「店員はうざったい!」「自分の好みを薦めるだけで私の好みを考えてくれない!」などの店員自身に対する偏見を持っている人もいるでしょう。私が思うに、このような人はこう考えていると思います「ほっといて欲しい!しかし無視されたくはない!」「気づかう事は十二分にして欲しい!しかし呼ぶまで来ないで欲しい!」「営業トークは邪魔くさい!しかし聞いた事には答えて欲しい!」・・・・などとお客さまの心理状態はかなりわがままなのが現実だと思います。

良質の商品を、快適な環境で、最高の販売員から手渡されて、初めてお客さまは満足します。そして再来店します。そして口コミをします。1人のお客さまの可能性は無限大です。2割の上位顧客が全体の8割にも及ぶ利益を生み出します。また、マーケティング関係の資料によると、同じ利益を得るのにリピータは新規顧客に比べて9分の1のコストで済みます。さらに、新規顧客を1人獲得するコストは、リピータ1人を維持するコストの4倍かかるといいます。ですから、いかにリピータを獲得し大事にするかが店舗運営のカギという事になります。

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